表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第三章 少女期 女神編
402/412

第四百一話 愛の二人(鋼視点)

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は……あっ、コメディさんがニッコニコですわー。


それでは、どうぞ!

 助けた男神と女神。その二人に、ぼくは面識があった。



「愛の神……」


「…………どう、する?」



 あの二人は、二人で一つを司る神。愛を司る、とても面倒な神だった。



「あぁっ、ロメロ」


「愛しのジュリエナよっ」



 どちらも、とても美しい容姿の神で、銀の短髪に赤い瞳を持つ男神、ロメロと、金髪に青い瞳を持つ女神、ジュリエナ。彼らは、まるで何年も離れていた恋人のように互いに抱き合うと、お互いをうっとりと見つめ続ける。



「放っておいたら、また、襲われるかもしれないけど……関わりたくない」


「…………同感……」



 ぼく達が相談する最中も、彼らは、互いの名前を呼び合って、完全に二人の世界を作り出している。

 別に、彼らは悪い神ではない。ただ、下手に刺激をすると、延々と惚気話を聞かされたり、甘くて砂を吐きそうな空間を作り出したりするだけで、悪事に関わることなどない。そして、彼らの戦闘能力は、かなり特殊で、嫉妬をする展開になれば、その力はぼく達を超えるほどのものになるが、そうでなければ、戦闘能力ゼロだ。

 つまりは、使えない。

 そんな二人はしばらくうっとりと見つめ合った後、何を通じ合わせたのかは知らないが、唐突にこちらを向く。



「この度は、危ないところを助けていただき、ありがとうございます。おかげで、愛するロメロとまた会えましたっ」


「私からもお礼を。危うく愛しいジュリエナを失うところでした。どんなに言葉を尽くしても足りませんが、本当に、ありがとうございました」



 お礼を、言ってくれるのは構わない。しかし、その後にまた、見つめ合う必要はあるのだろうか?



「ロメロっ!」


「ジュリエナ!」


「ロメロっ!」


「ジュリエナっ!」



 再び抱き合って、お互いを呼び合う二人の姿に、ユミリアには間違っても、この二人を参考にしてほしくないなと考える。



「えっと、それじゃあ、どこか安全なところに避難しておいてくれるかな? ぼく達は、まだ戦わなきゃだし」



 このままだと、日が暮れる。そう判断したぼくは、ネシスとともにそっと離脱を試みるのだが……。



「っ、待ってくれっ! すまないが、私達には戦う力がない。安全な場所があるのであれば、そこへ連れていってもらえないだろうかっ。私が邪魔だというのなら、せめて、ジュリエナだけでもっ」


「ロメロ!? そんなのダメよっ! 私達は二人で一つなのよ? あなたを置いていくなんて、できるわけないじゃないのっ」


「あぁっ、ジュリエナ!」


「ロメロっ!」



 再び始まる互いを呼び合って抱き合うその姿に、げんなりしてしまったぼく達は悪くないはずだ。



「……ネシス、安全な場所、どこかにあったっけ?」



 何だか、戦いよりもどっと疲れた気がしたぼくは、ネシスに問いかけて、しばらく考えたネシスがフルフルと首を横に振る様子を眺めて、遠い目になるのだった。

ロメロとジュリエナ……まぁ、何にかけた名前かは、多分、ほとんどの人が分かりますわなぁ。


それそのものではないですけど、ね?


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ……安全……?どっか穴掘って埋まっといたらヨイのでは…?埋めたげようか?(・ω・)ノ←滅させる気満々 自分のことは自分でしなされ!と言い置いて次に参りましょう、ええ次に! 次こそは、マトモ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ