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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
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第三話 状況整理は大事

ブックマークや感想をありがとうございます。


さてさて、ひとまずは状況整理ですっ。


それでは、どうぞ!

(状況を、整理しよう)



 赤ちゃん状態で考えていられる時間は少ない。何せ、すぐに眠くなってしまうのだ。だから、考えられる時に考えるに限る。



(私は、ユミリア・リ・アルテナ。黒の獣つきで、『モフ恋』の悪役令嬢。あの、製作スタッフに愛されたとされる悪役令嬢だ)



 ユミリア・リ・アルテナは、黒く長い髪に、黒い猫耳を持つ美人さんだ。そして、その物語進行の形から、製作スタッフに愛されていると言わしめた少女でもある。その理由は……。



(ユミリアのバッドエンドはヒロインのバッドエンド、ひいては、世界のバッドエンドでもある、と……)



 そう、ユミリアがバッドエンドで死んでしまうと、そこからすぐに、ヒロインもバッドエンドを迎えてしまう。そして、ヒロインはこの世界を襲う魔王に対抗するため必要不可欠な存在であるわけで……そんなヒロインが不在となれば、世界も終わってしまうのだ。



(……えっ、もしかして、製作スタッフってヤンデレ!?)



 攻略本を読んでいた時にはそこまで考えなかったが、ユミリアが愛されているというのであれば、その愛は、いささか……いや、かなり重い。



(し、死ねないっ。いや、死にたくないけど、何としてもバッドエンドを回避しないとっ!)



 ユミリアは、幼少期の頃から一人で、自分のことは全て自分でこなしてきた少女だ。そんな孤独に生きていた彼女は、白の獣つきである王子と婚約することで、その人生を色づけることとなる。



(そう、幼少期からずっと一人……一人? あれ? メリーは?)



 白の獣つきが神聖視されるとかいう情報よりも、『一人』という言葉が引っ掛かった。メリーは今、私を甲斐甲斐しく世話してくれている。乳母である以上、役割としては私が乳を飲む期間だけ雇われているのかもしれないが、他のメイドが私を恐れることを考えると、彼女が私つきのメイドにならない理由が分からない。



(家の事情とか? いや、そもそも、目が見えないから無理だった?)



 小さな頭でウンウン考えるものの、何かしっくりこない。



(ユミリアの最初の死別は、乳母だった……って、メリー!?)



 ポンッと浮かんできた言葉を頭の中で繰り返せば、衝撃の答えが出てくる。それに思わず『あーっ!』と声をあげれば、またしてもメイド達が怯えるが、そんなことに構ってはいられない。



(えっ? メリーが死ぬ!? 何でだったっけ!? 思い出せっ、私の役立たずな頭ぁっ!)



 必死に唸って思い出した私は、その事実に泣きそうになる。……いや、訂正。もう泣いていた。赤ちゃんの涙腺は緩いのだ。



(メリーがっ、メリーがっ、病気で死んじゃうぅっ!)



 メリーの目が見えないのは、最初からではない。病のせいで、見えなくなっていったのだ。そして、私が二歳を迎えた頃に、彼女はひっそりと死んでいく。



(錬金術師のジョブぅ! 万能薬ぅ! 何で私には何もないのよぉぉおっ! ステータスオープンっ!!)



 そして、私は目の前に現れたソレに、絶句することとなった。

まだ0歳の赤ちゃんユミリアちゃん。


それなのに、未来の困難を知って荒れております(笑)


それでは、また!

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