第三百九十三話 思いがけない事実
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シリアスさんがのっそりとやってきまして……ドッスンと腰掛けましたーっ(笑)
それでは、どうぞ!
「邪神を掃討しないと帰れないって、どういうことですか?」
返答次第では、容赦しない、と言いたいところだが、相手は創世神様。ひとまずは落ち着こうと自己暗示をかけながら、ゆっくり問いかける。
「うむ、そうじゃのぉ……現在の神界は、邪神の侵攻により、とても不安定になっておるんじゃ。それは、何も戦いで乱れておるというだけじゃのぉて、その次元すらも、揺れておる」
「次元……それって、まさか……!?」
「うむ、このまま帰ろうとすれば、どこに飛ばされるか分からんのぉ? あちら側からの入り口は安定しておるじゃろうが、こちら側からは無理じゃ。じゃから、帰るには、この戦いを落ち着かせて、神界を取り戻さねばならんのじゃ」
神界での戦いなんて、今は構ってられないと思っていたものの、どうやらそうも言ってられないらしい。こちらとあちらで入り口の安定具合が違うのは、そもそも入り口の種類が違うのだとかいう話もされたが、どうあっても、邪神の掃討が必要という結論にしか辿り着けない。
「それに、このままであれば、神界は消滅し、世界も滅ぶこととなろうて」
「っ、そのようなことにはなりませんっ! 必ずや、私が創世神様を守り抜いてみせますっ!!」
創世神様の弱気な発言に、リリアナ様が食ってかかるも、創世神様は首を横に振る。
「ワシだけが助かったとて、意味はないのじゃ。ワシだけが助かっても、世界は滅びてしまう。この場所には、何も残らんよ」
「まっ、待ってください! 創世神様は、世界を作った神でしょう!? それならば、創世神様さえ生きていれば、世界は存続するのではないですか??」
創世神様といえば、神界の頂点に立つ神。人間とは違い、神は、その一柱が存在するか否かで世界に大きな影響を及ぼす。
私のような物作りの神が死ねば、世界で生産関係の発展が停滞する。セルティスのような魔の神が死ねば、魔法の使用に制限がかかる。魔石で魔法を発動することが常となったのは、それが原因だろう。コルトのような神が死ねば、現在獣付きと呼ばれている優秀な種が減り、ネシスが死ねば、闇夜の時間が少なくなる。もちろん、イリアスやアメリアも影響を及ぼすこととなる。だからこそ……創世神様が死ねば、創世神様が作った世界が滅びるのは当然だと考えていたのだが、どうにも、違うらしい。
「創世神というのは、確かに、世界を作る神じゃ。しかし、材料そのものを生み出す力は持ち合わせておらん。神界の頂点であることに変わりはないが、ワシの上は存在するし、ワシの役割は、中間管理職といったところじゃな」
「創世神様が……?」
「中間管理職……?」
リリアナ様と私は、その思いがけない発言に、思わず言葉を繰り返す。セイ達も一緒にその話を聞いて、やはり、言葉もないらしく、ポカンと口を開けていた。
「そして、世界を滅ぼす決定権は、ワシの上の神が持っておるんじゃ」
そして、続いた言葉に、その意味をゆっくりと頭で理解した私達は、事態の深刻さに青ざめるしかなかった。
おじいちゃん、中間管理職でしたねぇ(笑)
上の神様方?
うん、きっと、多分、そのうち出てくるんじゃないでしょうかねぇ?
それでは、また!