第三百八十四話 鏡の先へ
ブックマークや感想をありがとうございます。
…………ね、ねむい……。
とりあえず、頑張って更新〜
それでは、どうぞ!
謝罪ごときに時間を割くつもりはないため、私達は早速、彼らの力を用いて、弱体化を試してみる。
「範囲が狭いほど、効果が高いみたいだね」
邪神二人には、抵抗を封じるための首輪と、ただ丈夫なだけのリードをつけて、鋼にリードの先を持ってもらっている。そんな光景から若干視線を逸しながら意見を述べるセイの言葉に、納得する。
「確かにそうだね。神鏡邸の全てを範囲に指定した時とは比べ物にならないくらい、今は動きやすいね」
初め、神鏡邸全てを弱体化させようとしたものの、それで得られる効果は微々たるもので、どうしても慎重に動くこととなってしまった。しかし、範囲を二人の邪神を中心として、直径二十メートル以内という指定に変えれば、ちょっと危険かもしれない場所くらいの状態に早変わりした。おかげで、道を間違えながらもスイスイと進んでおりマリフィーの神力も少しだけ感知し始めている状態だ。
「っ、これは、六番目の力か?」
そして、その方向へと進めば、長男の言葉通り、確かに、レインボードラゴンの六男の魔力を感じ取れるようになる。ただ、離れているせいで力が薄っすらとしか感じられないのかと思っていたものの、どうもそうではなさそうだということにも気づいてしまう。
(急がなきゃっ、不味い!)
敵は、恐らく、邪神の中でもより強力な存在だろう。そんな者の前に現れて、戦えるのかどうかは分からないが、マリフィーが頑張っているのだから、やるしかないのだ。
状況を理解したのは、何も私一人ではない。そのため、私達は自然と早歩き……いや、駆け足で、神鏡邸を駆け抜ける。
「「ぐえっ」」
蛙が無残に潰れたような声を出すのは、状況が理解できていなかった邪神二人。鋼にリードを握られていた二人は、急に鋼が走り出したせいで、首輪が絞まり、引きずられる……と、いうより、鋼の力が強すぎて、走る速度が早すぎて、冗談みたいに足が地面につかない状態で首輪を起点に引っ張られる。ただ、そんなことを気にする者は誰一人としていない。
神鏡邸という名前の通り、鏡の迷宮とも思える場所に出たものの、鏡を破壊しながら、とにかくマリフィー達が居る方角を目指す。
「この先だっ! 準備しろっ!!」
先頭を走るイルト様の言葉に、各々が警戒心を強めた直後、目の前にそびえ立つ大きな鏡を割って、その先から、真っ白な光が私達へ注がれた。
よしよし、ようやく、マリフィーちゃんとご対面〜。
……それより何より、私はさっさと寝よう。
それでは、また!