第三百六十話 ネシスとの対話1(イルト視点)
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さて、アマアマモードを維持しながら、シリアスさんを召喚しなければっ!
それでは、どうぞ!
どうにも余計なことを考えそうなユミリアへ口づけを落とせば、案の定、完全に考える余裕をなくしてくれてホッとする。もちろん、ユミリアに触ってはいたいため、このまま翻弄するつもりではあるが、そのくらいは許してもらおう。
「ネシス。邪神が勢力を増した原因は分かっているのか?」
「……そこは、何とも……ぼく、アリアナ様に、教えてもらった、だけ……」
アリアナというのは、この世界の神であり、ユミリアが先輩だと言った女神だ。
「み……みゅっ!?」
意識をこちらへ戻しかけたユミリアに、再度口づけを落として、片手でユミリアの両目を覆ってしまう。
「大丈夫だよ。ユミリア。今はまだ、口づけだけに留めておくから」
そう言えば、ユミリアは声にならない悲鳴をあげて、耳まで真っ赤にする。
「可愛い……耳まで真っ赤だよ? 食べても、良い?」
「みゅーっ!!? だ、めぇっ」
そう言って、耳に息をそっと吹きかけるついでに、僕がユミリアに対して囁く言葉しか聞こえないように魔法をかければ、可愛い可愛い婚約者は、身を捩ってビクビクと反応する。これで、僕とネシスの会話はユミリアには聞かれない。本当は、気絶するまで攻めてあげたいところではあるが、それをしたら、きっと後が大変だということで、どうにか、その欲求を抑える。
「……イリア、いや、イルト、様? ……目に、毒」
「……そうだね。ユミリアの可愛い姿は、僕だけが見るものだよね」
ネシスの前でイチャついたことに後悔はないが、好き好んで見せるものではない。と、いうわけで、僕は、ユミリアが僕以外から見えないように、透明化する魔法を発動させて、姿を隠す。もちろん、ユミリアの声も、今は、僕にしか聞こえないようにするのも忘れない。
「愛してるよ、ユミリア」
愛を囁いて、ビクッと跳ねるユミリアを優しく撫でながら、僕は、引き続きネシスから情報を引き出す。
今のアリアナが敵か、味方か。それはきっと、ネシスでも分からないだろう。少なくとも、この世界にユミリアの、田中雪の魂を呼び寄せた段階では、僕達の味方だ。そして、竜神様について教えてくれた時も、おそらくは。ただ、それ以降が判別がつかない。その辺りは、情報もないので置いておくとして……。
「ネシス。僕の呪いを解くことはできる?」
ネシスは、闇の神の一族。当然のことながら、呪いにも精通していた。そして、その問いかけて対して、ネシスはうなずきかけて、首をかしげ、ふるふると横に首を振った。
……召喚したシリアスさん、なんか、お目々パッチリでドレスアップしてる……?
アマアマモードに影響されたか。
それでは、また!