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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第三章 少女期 女神編
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第三百五十六話 守りたい気持ち

ブックマークや感想をありがとうございます。


さてさて、今回は、ユミリアちゃん視点でもあり、ユレイラちゃん視点でもあります。


それでは、どうぞ!

 夢を、見ていた。私が、イリアスと初めて出会った、その日からの夢を。傷つき、倒れていたイリアスを助けて、その瞳を見た瞬間、お互いに、お互いへと囚われたことを。


 どうして、あれだけの傷を負っていたのか、イリアスは、とうとう教えてくれなかった。ただ、どこかの神に狙われているらしいことだけは分かっていて、それからイリアスを守りたくて、私は、彼と一緒に住み始めた。まだまだ新米の神であった私は、何度も何度も、イリアスに手助けされながら、力を蓄え、そのうち、五人の友もできた。彼らは、私達に早く婚儀を挙げれば良いのにと言ってくれたが、それをするには、いくつもの問題があって、中々、それを解決できないまま、月日が過ぎる。



「ユレイラ、昇格できたんだって?」


「おめでとうっ、ユレイラっ!」



 青い長髪に、金の瞳を持つ青年姿の神、セルティスと、真っ白な髪に、ぴょこんと狼の耳をつけ、赤と青のオッドアイを持つ少年姿の神、コルトの言葉に、私は大きくうなずく。



「うんっ、これで、少しはイリアスに近づけたかな?」



 イリアスは、まだまだ私よりも強い神で、追いつくには、相当な努力が必要なのだと理解している。それでも、少しでもイリアスの力になりたい私は、努力を怠るつもりなどなかった。



「ユレイラ様、少し、お休みになられた方がよろしいかと」


「ユレイラ様っ、健康管理も大切なお仕事ですっ!」




 後ろでカッチリと結んだ黒い髪に、赤い瞳を持つ女性姿の神でありながら、紳士服を着こなすアメリア。フワフワの金髪に、青い瞳の元気そうな少女姿の神、マリフィー。彼女らの言葉にコクコクとうなずくのは、黒い短髪に紫の瞳を持つあまり表情の変わらない少年の神、ネシス。


 彼らは全員、大切な友だった。時に、私が彼らに嫉妬したり、イリアスが彼らに嫉妬したりなんてことがないとは言わないが、それでも、守りたい相手であることに間違いはなくて、これからも、ずっとこの平和が続くのだと思っていた。



 白い炎と、赤い血の記憶。


 魔法に長けたセルティスが倒れ、身体能力の高いコルトが刺し貫かれ、防御に長けたアメリアが吹き飛ばされる。様々なトラップで翻弄することに長けたマリフィーは、得体の知れない化け物に頭から食われ、暗器での暗殺に長けたネシスは、磔にされて絶命する。

 ただのもの作りにしか才を発揮できない私でも、彼らの魂が敵に穢されるのは見ていられなくて、様々な道具を用いて、どうにか逃がすことに成功したと思った直後……私は、白い炎に焼かれて、命を落とす。

 私達を殺したのは、つい先日、邪神に堕ちたという報告があった二柱の神。執拗に私に言い寄っていた神と、私を睨み続けていた神。



(せめて……イリアスには、生きて、ほし、い……)



 最後の最後で力を振り絞り、私は、イリアスへ加護を与えることに成功する。

 そうして、私はいつの間にか、田中雪へと転生し、ユミリア・リ・アルテナとして、新たな人生を歩み始めていた。神であった記憶を失くして、それでもなお、もう一度、同じ人に惹かれて……。



(あぁ、そっか……今度こそ……)


「「守らないと」」



 愛しい人の声と重なって、私はゆっくり目を開けて、()に微笑んだ。

いやぁ、ユレイラちゃんの最期、悲惨でしたなぁ(イリアスの最期でもあるけども)


今度こそ、守りたい。


と、いうわけで、頑張ってもらわなきゃですねっ。


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[一言] 邪神堕ち……壮大なストーカーがいる……それも二柱も…… ユレイラと仲間達の幸せをぐじぐじと踏みにじった邪神堕ち×二に天誅が下れば良いのに…思考が腐り堕ちるとか、嗜好が腐り堕ちるとか、夏冬の…
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