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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第三章 少女期 女神編
351/412

第三百五十話 憎悪(セイ視点)

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は、意識を失っているセイ視点ですなっ。


それでは、どうぞ!

 目を覚ますと、そこは暗闇だった。深く、深く、淀んだ闇。見つめているだけで、そこに含まれた嘆きが、苦しみが、襲いかかってくるかのようで、僕は、目を閉じて、耳を塞ぐ。しかし、ドロリと粘度のある闇はそれを許してなどくれない。



(憎い、苦しい、痛い、怖い……)



 目を閉じているはずなのに、耳を塞いでいるはずなのに、そこには同じ闇が広がって、僕を苛む。


 思い出すのは、ユミリアと出会う前。誰からも石を投げられ、蔑まれてきた時のこと。



「また、まざりものがいるよ」


「ほんとだ」


「ほんとだー」


「ねぇ、こんどはどうする?」


「いし、なげるー」


「とらっぷー」


「くさいしる、かけるー」



 どんなにひっそりと隠れていても、妖精が存在するような場所に居れば、すぐに見つかってしまう。妖精は、隠れたものを見つける天才だ。そのため、僕は、気が休まる時なんてなかった。



「いた、いたいっ、やめて、やめてよ」



 弱りきっていた僕は、飛ぶことすらできなくて、石を投げられ、足を引っ掛けられ、妖精にとっては毒とも言える植物の汁をかけられ、さらにズタボロになっていく。



(どうして、こんな……ぼく、なにもしてない、のに……)



 混ざりものがどういう意味なのかも分からず、ただただ、苦痛に耐える日々。それでも、その時は憎しみまで抱いたことはなかった。母のことは知らずとも、父は、僕を愛してくれていて、その記憶は、例え父が突然居なくなっても、心に残っていたから。



「ねぇ、まざりものをうんだやつって、どうなったの?」


「しんだんじゃない?」


「まざりものをうむなんて、とってもふきつー」


「ふきつってなにー?」


「だめなことだよー」


「ふきつは、しぬの?」


「そう、おーさまたちが、つぶしちゃうのー」



 どうか、見つかりませんようにと隠れていた僕は、彼らに引きずり出され、意識が朦朧とするまで痛めつけられた。そんな中で聞いたその言葉に、僕の思考は、一時的に停止する。



(つぶしちゃう……つぶれる、の……?)



 父は、確かに突然居なくなった。しかし、無残にもバラバラに千切れた羽根をたまたま見つけて、そこで、妖精が一人、ぺしゃんこに潰れていたのだという話を聞いてはいた。……たとえバラバラでも、父の羽根を見間違うはずはなく、その瞬間、僕は父の死を知った。



(おーさま……ようせいおう……? なんで、そんなかたが、ぼくの、とうさんを、ころし、た……?)



 なぜ、とか、どうして、なんて言葉がいくつも浮かび、次第にそれは、憎しみへと転換していく。



「ころして、やる……」



 絶対に、何がなんでも、父を殺した妖精王を見つけ出して、復讐してやる。そう決意した瞬間、恐怖が、痛みが、苦しみが、どこか遠くのもののように感じられるようになる。

 そうして、僕は…………………。

うーむ、シリアス!


シリアスさん達は、ビター過ぎるチョコレートをバリボリと貪っておりますなぁ。


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[一言] うーむカカオ90%……にがーいぃい(´・┰・`) ちょこれーとは甘いミルクチョコが良いですし!たけのこときのこならたけのこ派!!(* ̄∇ ̄*) なんて目を背けてはいけない……妖精王だかなん…
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