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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第三章 少女期 女神編
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第三百四十三話 帰す

ブックマークや感想をありがとうございます。


ね、眠い……。


それでは、どうぞ!

 気付け薬は、ローラン達の抗議によって、味の改良をする予定ではあるものの、今に至る間で、それを行う時間などなかった。そのため……現在、この場では、うめき声や水を求める声が響いている。



「……」


「大丈夫だよ? 今は、ローランに使う予定はないから」



 気付け薬の大瓶から、無言で一歩距離を取ったローランへそう告げるも、どうやらローランも無意識の行動だったらしい。



「い、いや、は、ははは……」



 笑って誤魔化すローランを横目に、恐らくは目に毒であろう気付け薬をストレージにしまい込む。



「それじゃあ……尋問を始めようか?」


「「「ひうっ」」」



 魔力で威圧をかければ、途端に、呻いていた男女は悲鳴をあげる。



「いや、さすがに、酷なんじゃあ……」


「全員、問題なく目覚めたから良いと思うんだけど?」


「……せめて、呂律が回る程度には水を飲ませてやらないと、ありゃあ、言葉を話すのも一苦労なはずだぜ?」



 言われてみれば、気付け薬で呂律が回らない状態もあったと思い出した私は、仕方ないとばかりに、魔石を取り出して、彼らの口元に水の玉を浮かばせる。すると、彼らは、その水が安全かどうかも分からないのに、懸命にゴクゴクと飲み干し始める。



「ところでローラン。妖精とか精霊にも、自白剤って効くのかな?」


「「「ぶふーっ!!」」」


「……もしかして、自白剤、入れましたか?」



 吹き出す彼らの姿を見て、ローランがそう告げるものの、私だってそこまで鬼ではない。



「入れてないよ? だから、今確認したの。まぁ、反応を見る限り、自白剤も効果ありそうだけどね?」



 水を飲むことなく、青ざめる彼らを一瞥すれば、さらに怯えられる。



「じゃあ、水も飲めたことだし、私の質問に答えてくれる、よねぇ?」



 にっこり笑って確認を取れば、必死に頭を上下に動かす。そうして、私の尋問は始まった。








「つまり、ここに居るのは全員、妖精王か精霊王で、彼らに認めてもらえれば大きく目的に近づける、と」


「けど、誰が、何の目的でここに捕えたのかは不明で、こいつらが居なくなったことで、世界に良からぬ影響が出るはずだ、と」


「……嘘は吐いてなさそうだし、あの影が一番怪しいんだろうけど、ここには居ないし……」


「世界への影響ってのが心配ではあるな」



 尋問が終わって、内容をまとめる私達。妖精王や精霊王達には、とりあえず、水晶の拘束からは出てもらって、その上で、私が新たに拘束をしておいた。あの水晶は、妖精王や精霊王達の魔力を吸収していたらしく、あのままては、消滅しかねない状態だったらしい。



「心当たりもないみたいだし、首輪をつけて解放って形が妥当かな?」


「あぁ、それは確かに」



 首輪というのは、もちろん、そのままの意味ではない。いつでも居場所が分かるのと、危険が迫ったら分かる程度の機能がある魔法をかけるだけだ。



「じゃあ、あなた達はとりあえず元居た場所に帰すよ」


「ほ、本当に?」


「もちろん。ただ、これは貸しだから」



 後で、仲間を連れて印の魔法をもらいに行くとは告げているものの、それはカウントしない。それでも、彼らは帰してもらえるということに安堵していた。



「と、いっても、大雑把に、近い場所に送ることしかできないから、後は自分達で何とかしてね?」


「はいっ、ありがとうございましたっ」


「「「ありがとうございましたっ」」」



 転移できる場所は限られている。しかし、それぞれの場所を聞けば、一応はその地域に送れることが分かって、問題はないということになる。そうして、私達は、彼らを全員、転移で帰した。

妖精王と精霊王。


とりあえず、住所ゲット(笑)


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[一言] アレですね?ワンコにゃんこが迷子になった時に、居場所を突き止めるためのGPSカプセル! 各個、埋め込んどいたら良い?自分で取り外せない様にするならコレが一番よネッ!(・ω・)ノ←鬼(笑) …
[良い点] やっぱり唇とか口の中が状態異常な気付け薬(笑)
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