第三百二十九話 残酷な真実
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あぁ、シリアスさんが、バカンスを始めてる……。
いや、もう、ね?
今回もシリアスモードですわ(笑)
それでは、どうぞ!
(……不味い。これ、抜け出せない!?)
漆黒シリーズの装備であれば、この程度の拘束、楽に抜け出せると思っていたのだが、どうやらそうはいかないらしく、どんなに力を込めても抜け出せそうにない。
「くそっ、何だよこれっ!」
「お嬢様! くっ、離れないっ」
「っ……」
「きゅうんっ」
「我を捕らえるなど、不敬なっ!」
「うぐぐっ、あぁ、また、私は死ぬ? あはっ、あははははっ」
しかも、単純な力では私より強いはずのローランでも、この拘束は解けないらしい。
「無駄なあがきですよ。あぁ、そうそう、質問の答えをせねばなりませんでしたねっ」
必死に拘束から抜け出そうとしている間にも、目の前の影は楽しそうに話す。
「まず、ここに封印されていたモノ。それは、端的に言えば、神々へ逆らった者共ですねっ」
「神に逆らった……?」
現在の私達は、ミーシャを助けるために、神界へ乗り込もうとしている。それは、もしかしたら、神への反逆とも言える事態かもしれず、どうにも、簡単には流せなかった。ただし、この拘束から抜け出す手も同時に考えてはいるが。
「その通り! あぁ、あなた方の方にもおられますねっ。反逆者の因子を持つ者がっ」
目の前の影に目はない。しかし、ないはずの視線が、私の背後に向けられたように感じられる。
「そこの妖精と、そこの獣……ふふっ、良い具合に、#混ざって__・・・・__#ますねぇ?」
「なっ」
「えっ?」
「っ、どういう、意味?」
十中八九、この影が指し示すのは、セイと鋼のことだ。しかし、混ざるという言葉が、今は、ただ別の属性を持つという意味以外に聞こえてしまう。
「おや? ご存知ない? 彼らは、迫害されてきたのではありませんか? #混ざりもの__・・・・・__#、と。反逆者どもの魂を持つがために、監視され、ギリギリのラインで生かし続け、その魂を摩耗させ、消滅させるために、さんざん、迫害されてきたのでしょう?」
「「「「「「「!!?」」」」」」」
妖精王達が隠した、混ざりものを迫害する理由。そして、迫害されながら、生き続けられた理由。それを目の当たりにして、私達は、今の自分の状況も忘れて、絶句する。
「むろん、全ての混ざりものが、本物というわけではありませんが……どうやら、お二人は本物のようですね?」
「本、物……?」
かろうじて問いかけたセイの言葉に、また、影はニタリと嗤う。咄嗟に、これ以上をセイと鋼に聞かせてはいけないと思うものの、拘束は頑丈で、やはり解けない。
「聞いちゃダメっ!」
「えぇっ、その通り! 本物の反逆者の魂を持ち、いずれ、反逆者そのものになり替わる存在! あぁっ、なんと素晴らしいっ!」
振り向いて必死に叫ぶ私の言葉に被せるように、影は宣言する。私は、青ざめるセイと鋼を、ただ見ることしかできなかった。
いやぁ、セイと鋼は、どうなっちゃうんでしょうかねっ♪
それでは、また!