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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第三章 少女期 女神編
324/412

第三百二十三話 辿り着けない真相(セイ視点)

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は……引き伸ばしモード〜♪


それでは、どうぞ!

 なぜそこまで確信を持っているのかは分からないものの、その一言に、妖精王達が微かに動揺したのは確かで、一瞬だけ、目が泳ぐのを確認する。



「ねぇ?」


「い、言えない」


「っ、ちょっと!?」



 大した理由なんて、あるはずがないと思っていた僕にとって、その言葉は意外だった。金髪の妖精王の発言に緑髪の妖精王が慌てる様子も、ユミリアの発言を真実だと思わせるに足るものだった。



「……混ざりものは、異質だから嫌われるんじゃなかったの?」



 ずっと、ずっと、そうだと思ってきた。昔、父親と離れる前の僕は、自分が異質だと知らなくて、幸せで……父親が失踪してから、初めて虐げられるようになった。そうして、僕は、虐げられる理由づけとして、異質な存在を受け入れられないのだろうと結論づけたのだ。



「もしそうなら、妖精王達はセイ達に嫌悪の視線を向けていたはずだよ。でも、実際に向けたのは殺気。しかも、ちょっと焦ってる雰囲気もあった。それはつまり、彼らにとって、セイ達みたいな存在が生きているのは困るってことなんじゃない?」


「ぼく達、何も、してないよ? 妖精王にも、初めて会ったんだよ?」


「そう、だよ。何で、知らない奴らから、敵意を向けられなきゃならない? 僕達が、何をしたって? 異質な存在を受け入れられない以外の理由って、何??」



 今まで信じていた、虐げられる理由が否定された。それは、僕達自身に何か原因があるのか、それとも、彼ら自身に何かあるのか、それすらも分からない。ただ、僕が感じるのは、漠然とした怒り。



「「ひっ」」



 殺気が漏れて、妖精王達は再びガタガタと震え出す。



「……ねぇ、何で? 何で、僕達は虐げられなきゃならなかったの?」



 母親は知らない。父親は、優しかったが、突如としてその姿を消した。それから続く虐待の日々。そのせいで、父親のことを思い出すようになったのも、ユミリアに拾われてからだ。

 しかし、今になって思う。僕がこれだけ虐げられてきて、父親には、本当に何もなかったのかと。もしかしたら、父親は、僕を庇い続けてきて、それに限界が来て、亡くなったのではないかと。


 今回は、一応加減をした殺気をぶつけて、話すのに支障が出ないようにはしている。ただ、それでも、彼らが話し出す様子はない。



「どうしましょうか? 私が拷問にかけて、口を割らせる手もございますが?」


「おっ、それなら、俺も力を貸すぜ?」



 メリーとローランが頼もしい発言をしてくれる。しかし……。



「ま、待って、私達はっ、本当に言えないの!」


「そ、そうだ。だって――」



 何かを言おうとした金髪の妖精王は、不自然に口をパクパクとさせて、声を出さない状態になる。



「……拷問は、無駄みたい。彼ら、何か口止めのための魔法か何かを受けてるみたい」



 そんなユミリアの言葉に、全員が眉を顰めたのは、仕方ないことだろう。

うむうむ、やっぱり、すぐに答えが分かっちゃ面白くないですよね!


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[一言] ほほう……?(  ̄Д ̄ ) つまり、セイ君たちのやうに混ざったナニモノかが虐げられるのにはなんらかの理由がある、と…? しかも話せないようにしてあるときたもんだ!……後ろ暗いコトがあります…
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