第三百話 竜神様救出作戦!1(ローラン視点)
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さぁ、竜神様を助けてあげなきゃですねー。
それでは、どうぞ!
ユミリア様のおかげで、俺は、どうやら、竜神様を救うために行動することができるようだった。
準備をすると言ったユミリア様が、ストレージから、いくつも、何に使うか分からないものを出していく中、俺はそっと、竜神様の様子を窺う。
「っ、ローラン。私、は……」
「大丈夫です。竜神様! きっと、ユミリア様が救えると言ったからには、ちゃんと、救えます! そんで、元に戻ったら、また昔みたいに一緒に話しましょうっ」
そっと窺うつもりが、すぐに気づかれてしまった俺は、どうにも元気のない竜神様を励ますつもりでそう告げる。ユミリア様が危険だと言った以上、竜神様を助けるのは、本当に危険なことなのだろうと分かっていても、それでも、俺は、竜神様に、元の状態に戻ってほしいのだ。
「私は、助けてもらう資格などありません。ローランが危険な目に遭うなど、あってはならないのです」
「えーっと、竜神様? あのね、ローランは、あんたのことが気に入ってるんだろうから、どんなに言い募ったところで引いたりなんかしないと思うよ? ローランは大切な人を見捨てるような薄情なやつじゃないから」
「ローラン、仲間想い! ぼく達も、ローランが好きだから、危険があれば、ちゃんと手を貸すの!」
「あ、あー、その、なんだ……まぁ、俺は、今、すっごく恵まれてるんです。だから、多少危険だろうと、そんなもん、きっちり乗り越えて、竜神様を救うくらいできるんです。俺を……信じてもらえませんか?」
不味い、照れる、と思いながら、俺はセイとコウ、そして、竜神様から顔が見えないようにそっぽを向いて話す。
「準備、できたよ! ……ローラン? 顔赤い?」
「っつ、な、何でもないですっ!」
準備に集中していたユミリア様か、ふいに顔を上げたところで、俺は、見られたくなかったものを見られてしまい、声を荒げてしまう。
「……ローランは、幸せを、得たのですね……」
「何言ってんの? その幸せの一つに、竜神様の無事も加わらなきゃなんだから、そこで達観してないで、行くよ?」
「ローランの仲間なら、ぼく達の仲間!」
背後で、そんな背筋がムズムズするようことを言われているという事実から、全力で目を背けた俺は、ユミリア様の元に一足先に向かう。
「何を、すれば良いんです?」
「……うん、まぁ、顔が赤い理由は、何となく分かったよ。それで、何をするのかは、とりあえず、定位置についてもらってから説明しようかな?」
そう言うと、ユミリア様は、大量の紐が張り巡らされた椅子らしきものへ、俺を座らせる。対面には、やはり、似たような椅子があり、そこへは、竜神様が座らせられた。
「じゃあ、説明を始めるね?」
そうして、俺達は、今からどんなことが始まるのかの説明を、がっつりと受けることとなった。
ローランを待ち受ける試練とはいったい……?
あぁっ、ドSな心がウズウズ(笑)
それでは、また!