第二百五十八話 久しぶりの再会
ブックマークや感想をありがとうございます。
さぁっ、今回はあの人が登場!
……よく考えれば、人物紹介に書き忘れてた人のような気がするけど……。
それでは、どうぞ!
「はぁい、お久しぶりね、ユミリアちゃん?」
光が収まると、そこは先ほどまで居た神殿ではなく、可愛らしい庭園だった。色とりどりの花が咲き誇る周囲、そして、真っ白な猫足の丸テーブルに、椅子が五脚。そのうちの一脚に、真っ白なドレスを身に纏った金髪碧眼の美女が、大きなメロンを二つ携えてニコニコと微笑んでいた。
「……誰?」
返事がぶっきらぼうになってしまったのは、けして、二つのメロンに嫉妬したからではない。
「あら? まだそこまでの記憶は戻っていないのかしら? ムムー! ちょっとこちらにおいでなさーい」
庭園の奥に向かって声をかける女性は、その直後、私達に椅子を勧めてくる。
「長いお話になるだろうから、座ってちょうだい」
そう言われて、私達は全員警戒をしたものの、とりあえず、最強装備を信じて腰かけることにする。
「うふふ、ユミリアちゃんったら、教会にも神殿にも立ち寄ってくれないんだから。全然話せなくて、寂しかったわよ?」
「……あなたは、誰ですか?」
一方的に私のことを知っている相手というのは、どうにもやりにくい。もう一度、同じ問いかけをすれば、彼女は、微笑みながらうなずく。
「そうね。まずは自己紹介よね」
やっと、彼女の正体が分かると思って彼女の目を見れば、どこか、既視感を感じた。
「私は、選定の女神。そちらのミーシャちゃんには関わっていないけど、ユミリアちゃん。あなたを転生させたのは、私よ?」
その言葉によって、私は、やっと、彼女のことを思い出した。
「あ、あの女神ぃぃぃいっ!!?」
最後の最後で、『悪役令嬢』と私を呼んだ女神。『コツ生』で必死に溜めた素材を消失させた状態で送り出した女神。色々と物申したい相手である女神。
と、いうわけで、驚きの声をあげて、ある程度落ち着いた私は……。
「一発……いえ、五発ぐらい、殴らせてくれる?」
「えっ? い、いやいや、その、ユミリアちゃん? 何で、そんなことになるのかしら??」
「心当たりがない? そんなわけ、ナいよネェ?」
「怖っ! えっ? いや、えっ? 転生した時のことなら、謝るわっ! あの時は、実際、時間がなかったのよっ! 詳しい説明なんかしてたら、あなたの運命の相手である、イルト君には出会えなかったはずだしっ。ユミリアちゃんが教会や神殿にさえ来てくれれば、お話できると思ってたしっ」
涙目で、必死に言い訳をする女神。
「ユミリアと、会えなかった……?」
そして、その言葉に一番反応を示したのは、イルト様だった。
「女神様ー。ここは、土下座するべきじゃないですかー?」
どういうことなのか、イルト様が問い詰めようとしたところで、気配もなく、庭園の奥からその女性は現れていた。
はい、ユミリアちゃん達の前に現れたのは、女神様でした!
最初にちょろっとだけ登場してましたねぇ。
それでは、また!