第二百五十六話 パズルな記憶
ブックマークや感想をありがとうございます。
うむむむむっ、ねーむーいー。
けど、頑張って更新して……ガッツリ寝ましょう。
それでは、おやす、じゃなかった、どうぞ!
「えっと、つまりは、私は今、十二歳で、ユミリア・リ・アルテナで、イルト様の婚約者で、イルト様が格好よくて、妖艶で、可愛くて、辛いってことで合ってる?」
「お姉様、混乱しているのは分かりますが、イルト殿下が機能しなくなるので、そのくらいで止めてください」
「みゅ?」
ミーシャにおかしな注意をされるものの、目の前のイルト様におかしな様子は全く見られない。
「はい、とにかく、もう少し頑張りましょう」
どこか疲れたような目でイルト様を見つめたミーシャは、もう少し、記憶を整理するよう告げてくる。とはいえ、順序がバラバラな幼い頃の記憶を整理するなんて、ほぼ不可能だ。
「みゅうぅ……」
パズルは嫌いではないものの、こんな完成がしっかりとした形になるのかどうかも怪しい記憶のパズルは、勘弁願いたい。
「待って。それより、ユミリアは、神殿がどこにあるか、知ってる?」
「神殿? ……教会じゃなくて?」
「うん、神殿」
『モフ恋』の中には、神殿など、一度も出てくることはない。なぜなら、『モフ恋』での神殿の役割を果たす場所は、教会として各地に存在しているのだから。
最初は、ミーシャに尋ねたのだが、分からなかったのだと言うイルト様に、どうやら、私のこの記憶は間違っていないと自信を得る。
「私の、この記憶が正しければ……神殿は、『コツ生』において、ラパパラという惑星の端にあるはず」
ただ、その場所は、ただひたすら寂れているだけの神殿であり、特に何のイベントもなかった場所だ。噂では、アップデートでかなり重要なイベントが発生する場所になるとのことだったが、この世界に来てしまった私に、その真偽の確認はできない。
「……なら、まずは、そこに行こう」
「みゅ? そこには、何もないと思いますが……?」
「いえ、それが、どうにも私達を助けてくれた方が、そこへ向かうように指示を出したらしいんです」
そう言われ、詳しく聞けば、どうにも信じられない話を聞かされる。
「ミーシャが浄化できなかった瘴気を浄化して、原因不明の記憶喪失っぽい状態だった私に変化を与えた女性、ね……」
味方なのかどうなのか、今はまだ分からない。しかし、もしかしたら、その女性ならば、私の記憶を戻してくれるかもしれないと思えば、行かないという選択肢はない。
「みゅっ。なら、私が案内するよっ。一応、最強装備に着替えておけば、何があっても安心だしね!」
記憶はバラバラだが、なぜか『コツ生』の記憶はしっかりと持っている私は、恐らく作っていたであろう最強装備を探して、全員に行き渡るように配るのだった。
ユミリアちゃん、ちょっと冷静さは取り戻せましたなっ。
次回は、きっと別視点?
それでは、また!