表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
24/412

第二十三話 契約

ブックマークや感想をありがとうございます。


さぁさぁ、ユミリアちゃん達の運命やいかに!?


それでは、どうぞ!

「しぇい……(セイ……)」



 足に触れたのは、セイの小さな手だった。



『仕方ない、から……契約、してやる』


「けいやく?」



 何を言っているのか分からず、私はセイの言葉を反芻する。



「それは、良い……ぼくも、ユミリアと、契約したい」



 弱々しくも、しっかりと答えた鋼。しかし、私にはその『契約』に心当たりがなかった。



『時間が、ない……おい、お前……ユミリア……僕達に、魔力を流せ。そうしたら、後は……僕達自身が、何とかする』



 『契約』というのが何かは気になる。内容も聞かずに、ただ言う通りにするのは愚かなことだと理解していた。しかし、ここに居るのは大切な友達。信じることに躊躇いはなかった。



「みゅっ、わかっちゃにょっ! (みゅっ、分かったのっ!)」



 私は、すぐにセイと鋼の体に触れて、魔力を流し込む。



『我、セイはユミリア・リ・アルテナと契約する』


「我、コウは、ユミリア・リ・アルテナと契約する」



 それぞれがそう宣言し、私に対して魔力を流し込んできた途端、何かが、繋がった感覚を覚える。



『えっ?』


「うおっ!?」



 しかし、契約した実感に浸る間もなく、セイと鋼の体には、それぞれ変化が訪れた。



「み、みゅうぅぅうっ!?」



 まず、セイは、大きくなった。両手の上に乗せられそうなそのサイズから、成人男性のサイズにまで、一気に成長する。幸いだったのは、仕組みは不明であるものの、服が破けたりはしなかったということくらいか。

 腰まである青く長い髪に、金の瞳は変わらない。鋭い目付きも変わらない。少しシックな花のような衣装も変わらない。ただただ、それがちょうど良い配分で伸びて、膨らんだだけなのだが、元が美形であるため、ちょっとばかしドキドキする。

 次に、鋼の方は……なぜか、キラキラと輝いている。毛並みの艶も良くなっていそうだが、それだけが理由ではなさそうだ。もう、物理的にキラキラしているのだから。そして、体の方も一回りくらいは大きくなったらしく、もふもふが増えたという事実に、ドキドキが止まらない。



「いやいやいやいやっ、どんな魔力してるのっ!?」


「進化、した?」



 何だか、セイの声がはっきり聞こえるようになったなぁと思いながら、私は、鋼の言葉を聞かなかったフリをする。



「確かに、僕達が倒れる中、平気そうなおま……ユ、ユミリアには、違和感はあったけど……」


「ユミリア、すごいっ!」



 しかし、話題はやはり、私の魔力についてらしい。どうやら、現実逃避は許されないようだ。それに、よくよく考えてみれば、この魔力があったからこそ二人を助けられたのだ。



(……よし、割り切ろう!)


「よかっちゃにょ(良かったの)」



 ただし、何か聞きたそうなセイの視線には答えない。それをするのは、ここから無事、脱出してからでも良いはずだ。



「これで、ユミリアは友達で、主っ」


「みゅ?」



 ただ、鋼のその言葉に、私はまた、首をかしげる。



「……さっきのは、主従契約だよ」


「みゅうぅぅうっ!?」



 暗い森で、私の絶叫はとてもよく響いた。

契約内容は確認……する余裕、なかったですね。


意図せずして、主従契約を結んでしまったユミリアちゃん。


まぁ、楽しそうだから良いかなぁ?


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ