第二百二十二話 お休みは必要
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ね、寝落ちしてたぁぁっ。
そ、それでは、どうぞ!
我が家族は、私が規格外の存在だと知っている。ついでに、王族の方々を含め、攻略対象者だったりヒロインだったりという存在も、そのことを知っている。つまり、何が言いたいかというと……。
(お、終わらない……)
家族やセイ達による号泣やら喜びの声やらがようやく落ち着いたかと思えば、いつの間に連絡したのか、アルト殿下やティト達もこの屋敷を訪れており、彼らにも色々と歓迎の言葉をいただいた。遅れてやってきたミーシャには、思う存分に抱き着かれ、目を覚ましたイルト様にペリッと剥がされたりもしていた。
「ユミリア。疲れただろう? 今日は、ゆっくり休もう」
「イルト様……」
私を規格外だと知る誰もが、元気な私がこの程度で疲れるとは思ってくれない。実際には、精神的に疲れてきているものの、それに気づいてくれたのは、やはり、イルト様だった。ただし……。
「あの……『休もう』だと、イルト様も一緒に居るような気がするんですけど……?」
「うん? そんなの当然だよ? もう、ユミリアが勝手に逃げ出せないように、しっかりと、僕の手の届く範囲に居てもらわないと」
(イルト様と……一緒? 寝る時、も……?)
それを想像して、私はボボボボッと顔が熱くなるのを感じる。
「で、殿下、さすがに、婚姻前にそれは……」
「大丈夫。本当に、一緒に寝るだけだし、そもそも、ユミリアが他の男のところに行けなくなるというのであれば、願ってもないことです」
お父様とイルト様は、私の立場だとか外聞だとかいうことを話しているようだったが、今の私は、プチパニック中で、その内容を把握することなど不可能だった。
「……で……から……」
「……し……で……」
(イルト様と、一緒のお布団? その場合、イルト様に抱きつくのは、アウト? セーフ? いえ、別々にベッドが用意されてるって可能性も……でもでもっ、イルト様の匂いがきっとあって……みゅうぅぅうっ)
「そうだよね? ユミリア?」
「みゅ!? は、はい……?」
とにかく悶々としていれば、唐突にイルト様から問いかけられて、思わず肯定してしまう。
(ま、まぁ、イルト様なら、変なことは言わないはずだし……)
「そ、そんな……ユミリア……」
「というわけで、ユミリアには、僕の部屋で寝泊まりしてもらいます」
お父様を見れば、なぜかうちひしがれた様子で、お継母様は、いつものように『あらあらまぁまぁ』と微笑んでいる。そして、ティトは生暖かい視線を私に向けており、ハイルはギリアと同じく、完全に話を理解していない。ディランは……なぜか、興奮している。
(……私、何を肯定したんだろう?)
そんな疑念の視線をミーシャへ送れば、ミーシャはなぜか、お父様と同じく絶望にうちひしがれていた。
(????)
私がその答えを知るのは、イルト様と一緒にお城へ行った後だった。
さてさて、ユミリアちゃんは、どんな言葉にうなずいてしまったんでしょうかねぇ?
それでは、また!(ねむねむ……(´ω` )zzZ)