第百九十六話 クリスタルロード攻略7(セイ視点)
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ちょっとばかし、眠りかけながら書いていたので、どこかに誤字がないかと心配ではありますが……まぁ、大丈夫でしょうっ(笑)
それでは、どうぞ!
「そうだよ。浄化魔法の使い手だ。でも、何で、彼女の魔法だけを君は吸収したの?」
ミーシャの魔法を吸収していたのは、間違いなく、マルディックであり、そこには何らかの理由があると思って、僕は問いかける。
「我は、聖竜であるゆえ、取り込める魔力も聖に連なるもの以外にないのだ。そして、我の魔力は枯渇しかけていたため、本能的に側にあったその者の魔力を吸収したのであろう」
「……そういえば、こんなんでも聖竜だったね」
「むっ、こんなんとはなんだ! 我は、れっきとした聖竜だぞ! しかも、純血種だ!」
「純血種……? じゃあ、君の加護って……」
「あぁっ、我の加護は強力だぞ! 全ての闇を払う力を身に纏い続けることができるのだからなっ」
竜の純血種。それは、竜だけで番い続けたのみならず、その魔力性質までもが同じ竜同士で番い続けなければ生まれない存在。つまりは、聖竜同士で番い続けた結果生まれる者が、純血の竜。しかし、今の時代、数が多い火竜や水竜くらいしか、純血種は存在しないし、それだってほんの一握りでしかない。そして、そんな純血種が与える加護は、何よりも強力で、反対の性質の魔力を完全に拒絶してしまう。だから……。
「なら、その第三王子が、瘴気に呑まれたりすることは……」
「ありえんっ! そんなことっ! あの人間どもも、そんなことを言っておったが、我の加護がある限りは、あやつが瘴気を身に宿すことなどないっ!!」
状況から考えると、僕達が追っている魔王はマルディックが話す第三王子だと思っていたのだが、どうも、それは違うらしい。
「ねぇ、ここに、魔王が封印されてるらしいんだけど、何か知らない?」
「魔王だと!? それは、あやつを苦しめた存在か!? どこだっ、どこに居るっ!!」
手がかりが何かないかと話してみるものの、どうやら、マルディックは魔王については欠片も知らないらしい。途端に溢れ出した殺意波を、僕は結界を強化して受け流す。
「ねぇ、もう、良いかな? 良いよね? とりあえず、アレの口の中を確認させてもらおう?」
魔王について、もう少し情報を引き出せないものかと頭を悩ませていると、イルト殿下が暴走し出した瞬間を目撃し……そのイルト殿下が普通の人間では届かないはずのマルディックの頭までジャンプし、ビクゥッとなったマルディックへと、容赦なくかかとおとしを決めたのだった。
イルト君、もう、我慢の限界だったみたいですねぇ(笑)
さぁさぁ、マルディックの頭の具合はいかに!?(←違う意味にも取れる)
それでは、また!