表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第二章 少女期 瘴気編
187/412

第百八十六話 夢の中へ

ブックマークや感想をありがとうございます。


一日空きましたが、更新ですっ。


それでは、どうぞ!

 ミルラスが側に居てくれたおかげで、私の中の瘴気の大元との接触は、どうにか目処がつきそうだった。

 しかし、ここに至るまで、二週間。きっと、イルト様達も、家族も、皆心配しているだろうことを思えば、少しでも早く、成果を出したい。



「ミル、それじゃあ、お願いね」


「うむ、主様!」



 出会ったばかりの頃こそ、どこか暗い様子だったミルラスは、今ではしっかりと私の言うことを聞く忠犬っぽくなっている。尻尾が生えていれば、さぞ、ブンブンと振られていたことだろう。


 今から試すのは、夢の中へと意識を守った状態で潜り込むための魔導具。魔力を注ぐのは、ミルラスに頼んで、私は勝手に作り上げた家のベッドに横たわる。



「危険だと思えば、すぐに起こすのじゃっ」



 小さく握りこぶしを作りながら真剣な表情で宣言したミルラスに、少し笑ってみせると、私はそっと、まぶたを閉じる。



(瘴気の大元……予測が正しいなら、それはきっと……)



 魔導具に魔力が注がれたのか、だんだんと意識が遠退いていく。そして……暗い暗い闇の中で、一人、膝を抱えてうずくまる影を見つけた。











「……まっ、主様っ!」


「みゅ、大丈夫だよ」



 ミルラスの呼びかけに対して、私はそっと目を開いて安心させるための言葉を紡ぐ。



「良かった! 丸々一日、全く起きなんだから、どうしたものかと思っておったのじゃ」


「一日もっ!?」


「うむ、起こせば起きるはずだと思って、何度も声をかけたのじゃが、全く起きる様子がなくて……」



 ミルラスは目の下に隈を作って、私が起き上がるのを手助けしてくれる。



「心配かけて、ごめんなさい。でも、少しは成果もあったの」



 そうして、私は夢の中で魔王と思われる存在と接触したことを話す。



「うむ、うむ、ならば、もう少し眠る時間を短くして、しっかり夢の中に潜れるようにできれば、色々と対策も取れるのじゃな?」


「多分、ね。ただ……いや、今は良いか。それよりも、ミルは、今からゆっくり休んで!」


「う、うむ? しかし、妾は主様の側に居たいのじゃっ! 本当に、大丈夫なのかぇ?」



 まだまだ心配だと言わんばかりの視線に、私は苦笑をもらしながらも大丈夫だと告げる。



「ミルが眠くないんだったら、少し外で運動でもしてみる?」


「っ、え、遠慮するのじゃっ! わ、妾、急に眠気がやってきたのじゃっ! うむっ、これは強烈っ。というわけで、妾は寝るのじゃ!」



 運動イコール鍛練だと理解しているミルラスは、そのハードさを思い出して顔を青くして、わざとらしく『眠い』と訴えた後、一目散に私の前から逃げ出す。



(うーん、もう少し、軽くした方が良いのかなぁ?)



 今、ミルラスが眠ったところで、起きた時には鍛練メニューが出来上がって、すぐにでも試せる状態になるだろうと考えながらも、見守ってくれたミルラスへの感謝のため、ミルラスが好きな筑前煮を作ってあげようと笑みを浮かべた。

ちなみに、夢の中での出来事は、以前にちょろっと書いた部分にあります。


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ユミちゃんったら見事なアメとムチ…流石の猛獣使いっぷりデスネ!夢魔を忠犬に変化させてしまうとは…頑張ったらモフモフになったりする?魔物って姿変わらないのかしら?…レッツチャレンジ!ケモ耳と尻…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ