表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
17/412

第十六話 友達

ブックマークや感想をありがとうございます。


瀕死のフェンリルとドン引きのセイ。


さぁ、ここからユミリアちゃんはどう動く?


それでは、どうぞ!

『う、うわぁ……』



 泡を吹いて、ビクビクと痙攣を繰り返すフェンリルを前に、セイはまたしても頬を引きつらせて声をあげる。



(……うん、やり過ぎ、た?)



 とりあえず、新しく魔石を取り出して、ヒールを発動させる。今やるべきことは、フェンリルの回復だ。そうしなければ、フェンリルの説得もままならない。



「おちりゅにょっ(起きるのっ)」



 ペチペチとフェンリルの鼻を叩けば、苦しそうに『グルゥ』と声をあげて……パチリ、と目を開ける。



「やっちょおちちゃにょ(やっと起きたの)」


「グガッ」



 そして、目を開けた瞬間、フェンリルは私に襲いかかろうとして……。



「あいちゅはん(アイスハン)「きゅーんっ、きゅーんっ、くーんっ!!」……わかりぇばよろちいっ(分かればよろしいっ)」



 一瞬にして降伏ポーズに変わったフェンリルは、耳をペタリと横にして、ブルブルと震える。



『……人間の子供って、こんなに怖かったんだな……』



 後ろでセイが震えているが、今、私がやるべきことは、フェンリルの説得だ。そう、説得なのだ。



「ふぇんりる、にゃんであばりぇてちゃにょ? (フェンリル、何で暴れてたの?)」


「きゅーん……妖精達が、ぼくのこと、悪くいうから、イライラしてた」



 フェンリルは、震える声で、人間の言葉を話す。『コツ生』でも、言葉を話すような描写はあったが、暴れている原因までは知らなかった。ただ、鼻が弱点だということを知っていただけで……『コツ生』で倒したのと同じ方法で、フェンリルを追い詰めただけなのだ。



「よーちぇー? (妖精?)」


「……ぼく、ぼく、異端のフェンリルだから、妖精達、警戒した。それで、ぼくを追い出そうと、いっぱい悪口言う……」



 『異端』という言葉に、よくよくフェンリルの姿を観察してみれば、本来青いはずの目が、片目だけ赤かった。オッドアイのフェンリルさんだ。



「ぼくの目、こんなだから……属性も、炎を使えておかしいから、群れからも受け入れてもらえない。居場所を探して、暴れて、でも、どこにもない」


「みゅう、あばりぇちゃりゃ、いみにゃいにょ(みゅう、暴れたら、意味ないの)」


「それは、分かってる、けど……」



 ズーンと落ち込むフェンリルを見て、私はふむ、と考える。



「にゃら、わちゃしとともだちににゃりゅにょっ(なら、私と友達になるのっ)」


「友、達?」


「みゅっ」



 笑顔で大きくうなずけば、フェンリルは感激したかのように、ブルリと震える。そして……。








「友達など畏れ多いっ! 下僕にしてくださいっ!」



 予想外の反応に、硬直してしまうのだった。

……まぁ、フェンリルの気持ちを考えれば、当然の答え(下僕発言)でしたね。


ユミリアちゃん、大混乱になりそうです(笑)


さてと、台風が近づいてきていますので、影響のありそうな方はお気をつけて~(特に超大型らしいですし)


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] そりゃ弱点連打されて瀕死になってりゃ服従しちゃう(笑) 二歳未満で強すぎ(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ