第百六十七話 絶望への道のり
ブックマークや感想をありがとうございます。
さぁてと、タイトルから分かる通り、シリアスさんのおなーりー(笑)
それでは、どうぞ!
三人を脅は……拷も……問い詰めることによって、私は、しっかりとほしい情報を手に入れていた。
現在、そんな彼らはお行儀良く正座させた上で、がっちりとした拘束で身動きが取れなくしている。首から下げられた札には、デカデカと『反省』の文字を書いて、ネズミの一匹も近寄れないように、結界を張っておいてあげた。私がその場を離れると知るや、真っ青になって行かないでくれと叫んでいたものの、少しは、ミーシャにしたことへの仕返しをしておきたかったので、放置だ。忘れていなければ、用事を済ませた後、解放する予定ではある。
(さてと、吉と出るか、凶と出るか)
フードを被ったまま、複雑な小道を歩く私は、この先に待つ存在へと思いを馳せる。
かつて、アルテナ公爵家の使用人の一人であったゴルゾ。お母様が追放された際に、一緒に出ていった男。そして、今は、ユーリックへポック病を誘発させる薬や、重症化させる薬を盛ったと思われる容疑者。
これらのことは、影シリーズの子達を放って知り得た情報ではあったものの、それでもなお、分からないことはあった。
(ゴルゾは、なぜ、ユーリックを狙ったの?)
さすがに、ゴルゾがメリーに薬を盛っていたかどうかまでは不明だったものの、状況からして、ゴルゾが何らかの形で関与しているのは間違いないだろう。しかし、そこまで調べてもなお、動機が見えてこなかった。
「ここ、ね」
辿り着いたのは、ボロボロの小屋。扉は触れる前から半開きで、所々木が腐り落ちている。小屋そのものも少し崩れかけている状態で、屋根となる木は半分以上が剥がれている。日当たりも悪く、ジメジメとした場所にあったそこは、普通なら入りたいとは思えない。しかし、真実を知るためには、必要なことだった。
「……ユミリア、本当に、行くの?」
いつの間にか隣に立っていたセイに問われて、私はうなずく。
「もし、これが魔王による何かであれば、私が一人で行くことこそに意味があるの」
今までの魔王らしき存在の動向を分析すれば、そいつは、私を絶望させたくて仕方がないらしい。そして、その末に、私を殺してしまいたいとも考えていると思われた。しかし、魔王の手がかりはほとんど得られていない。ただ、私が一人で挑んだ時に限り、何らかの情報が得られることがあったのは確かだ。
それを理解しているセイは、苦々しい表情で一歩、私から下がる。
「じゃあ、行ってくるね」
「……家が崩れても死なないくらいには、結界を張ってよね」
そう言われた私は、セイを安心させるべく、結界を自分の体に沿って張ってみせる。
そうして、私は、小屋の中へと、足を踏み入れた。
そこに待つのが、新たな絶望だとは知らずに………………。
最後に不穏な言葉を残して……続きは明日!
それでは、また!