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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第二章 少女期 瘴気編
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第百六十話 送り込まれたのは……

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は……ちょろっとシリアスさんが顔を覗かせつつあるかも?


それでは、どうぞ!

「つまりは、お父様が私を心配して、私に内緒でローランを送り込んだ可能性が高い、と」


「あぁ、そうだろうな……俺は、てっきりユミリア様は知ってるものだと……」



 ローランは、お父様から私の護衛につくよう言われて、教師としてやって来たのだと言う。本来、『モフ恋』ではどんな教師だっただろうかと考えて……あまり思い出せないため、恐らくはモブだったのだろうと思考を放棄する。

 現在、自己紹介やら学園の説明やらが終わって、放課後。チャイムが鳴ると同時に、一斉に教室を出ていくクラスメイトを眺めた後、私達はローランとその場で話をしていた。ちなみに、あの気絶したご令息は、友人と思われるご令息に俵のように担がれて去っていった。



「あー、こりゃあ、セイ達も似たような状況なんじゃねぇかな?」


「……ローラン? まさか、セイ達も来てるの?」



 ため息混じりに告げられた言葉へ敏感に反応すれば、ローランは『やっぱりか』と言いたげな表情でうなずく。



「セイは保健医として、鋼は、番犬? んでもって、メリーは、ユミリア様のメイド兼諜報としてこの学園に来てるぞ?」



 そう言い終えた直後だった。教室の扉が開き、見慣れた青い瞳のメリーがそこに居た。



「ユミリアお嬢様。お迎えに上がりました」



 ニコニコとそこに存在するメリーだったが、本来、メリーは付いてくる予定ではなかった。その理由は……。



「メリー!? ダメでしょうっ、ユーリ君が病気になっていたのでしょう?」



 メリーには、私と同じ年の子供が居る。彼の名前はユーリックで、普段からやんちゃなのだが、何やら重い病気にかかったとのことで、メリーはしばらく実家に帰っていたのだ。



「ユミリアお嬢様にいただいたお薬を飲ませたところ、普段以上に元気になりましたので、もう大丈夫です。薬を、ありがとうございました。これからは、もっとユミリアお嬢様のために働く所存です」



 効くかどうかは分からないが、一応、メリーには万能薬を持たせて送り出しておいた。そして、どうやらそれはてきめんに効果を発揮したらしく、メリー曰く、ユーリックはいつも以上に体が軽くなったと喜んでいるらしい。



(ん? いつも以上に……?)



 万能薬には、状態異常を治す効果しかない。落ちた体力は戻らないし、いつもよりも元気になるということはあり得ない。



(……うん、まぁ、大袈裟に言ってるだけかもしれない、けど……)



 どうにも引っかかる。

 そうして黙っている私に、隣で様子を窺っていたイルト様が、そっとその手を私の手に重ねてくる。



「ユミリア、何が心配? 言ってごらん?」



 イルト様の優しい視線に促されて、私は、自分の中に生まれた小さな疑念を漏らすのだった。

チラチラと見え隠れするシリアスさん。


事件の匂いですよ~。


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[一言] ふんかふんか!くんかくんか!事件のかほり…!はっ!!Σ(´Д` )何てことだシリアス先輩の匂いがスル…!←シリアス先輩の匂いが解るほどに仲良しに…なってない!(*`Д´)ノ!!! ?状態異…
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