表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
144/412

第百四十三話 走れ、ユミリア

ブックマークや感想をありがとうございます。


さぁさぁ、ユミリアちゃん、いっそげーっ。


それでは、どうぞ!

 窓から飛び降りて、装備の力を使って一気に駆け抜けた私は、数分で城へとたどり着く。



「む? お嬢ちゃん。こんな時間に迷子……か?」



 暗闇の中、私の髪の色まで判別できなかったらしい城を守る騎士は、私を怯えさせないようにしゃがんで問いかける。が、恐らくは、そこで私の身なりが良いと気づいたのだろう。



「ユミリア・リ・アルテナと申します。今すぐ、ここを通してください」



 名乗りをあげれば、強ばった表情を騎士は浮かべる。



「なりません。現在は、城内への立ち入りは禁止となっております。申し訳ありませんが、お引き取りを」



 断られるのは、もちろん想定済みだ。だから、私は最終兵器を持ち出す。



「私は今、アルテナ公爵家の令嬢としてではなく、王家の守り人として発言しております。その意味は、お分かりですね?」



 私が王家の守り人としてやってきたとなれば、何らかの危機が王族へ降りかかっていると取れる。王家の守り人として、私の名前が発表されたのはつい最近。たかだか五歳児にそれだけの名が与えられた異例の事態に、社交界では様々な憶測が飛び交っている。

 目の前の騎士も、どうやら王家の守り人に関する話は知っていたらしい。彼は、盛大に顔をひきつらせて、隣に居た同僚の騎士へと、視線で助けを求める。



「み、身元を証明するものを、何かお持ちですか?」



 助けを求められた騎士は、とにかく私が本物であるかの確認をしようと、そう尋ねてくる。



「これで、良いですか?」



 ストレージからサクッと取り出したのは、アルテナ家の家紋が持ち手の部分に彫られた扇。何かあった時用にと、お父様からもらっていたものだ。



「か、確認しました……お通りください」



 扇を返され、入城の許可が下りた途端、私はさっさとイルト王子の元へと急ぐ。



「ちょっ、先輩!?」



 背後のそんな声も無視して、誰かに呼び止められるのも面倒だと、気配を消し、姿をほとんど認識できないように誤認の魔法を使って一直線にそこを目指す。



「イルトっ! そんな、うそだっ。いやだっ、いやだぁぁあっ!!」



 ようやく、イルト王子の部屋の前に来た、というところで、その扉の奥から聞こえてきたのは、アルト王子の悲痛な叫び。その叫びを聞いて、私は思わず、足を止めるのだった。

い、いったい、何が!?


という終わり方で、読者様をいじめる私(笑)


いやぁ、いじり甲斐のある読者様も居ることですし、楽しく書いておりますっ。


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして(*^^*) いつも楽しみに読ませていただいています。 実は星宮せんせとしろさん達のやり取りを楽しみにこっそり覗いていたり……あ、(;゜∇゜) 感想について言及があったのでつい書…
[一言] うわぁあん!いぢわる!いぢわるー!!センセいぢわるー!!o(T□T)o イルト君ーー!!(。>д<) ちくせう…楽しげに踊りやがってシリアス先輩め… で?魔王なのか?まーおーうーなーのーか…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ