表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
128/412

第百二十七話 白黒兄弟1

ブックマークや感想をありがとうございます。


どうにも、イルト達のひらがなでの会話が読みづらいとのことで、せめて人名だけはカタカナにしてほしいと要望を受けましたので、この話からそれを取り入れて参りますっ。


前に出ている分は、順次修正していきますね。


それでは、どうぞ!

 お城に着くと、出迎えてくれたのは……執事でもメイドでもなく、イルト王子とアルト王子だった。



「ユミリアじょうっ!」



 私の姿を見た瞬間、イルト王子はパッと顔を輝かせる。そして、アルト王子は、頭に帽子を被った状態で、そんなイルト王子をニコニコと見つめていた。



「イルト様、お会いしたかったですっ。それと、アルト王子は、もうお加減はよろしいのですか?」


「うん、おかげさまで、いまはなんともない。たすけてくれてありがとう。ユミリアじょう」



 恐らく、その帽子の下には、白い耳が生えていることだろう。しかし、それを不用意にさらすわけにはいかない。そんなことをすれば、どれだけ騒がれるか分かったものではない。



「まりょくのほうも、おさえるどうぐをおくってもらえて、とてもたすかっている」


「それは、ようございました」



 どんなに白の獣つきになったことを隠そうとしても、魔力がいきなり増大してしまえば、すぐにバレてしまう。それを防ぐために、私はアルト王子が倒れた翌日、表に出てくる魔力を抑制する魔導具を生み出して贈っていた。



「イルトとおそろいで、うれしいっ」



 ちなみに、贈ったのは色違いの腕輪だ。アルト王子には、セレナイトに金の縁取りをした腕輪、イルト王子はオニキスに金の縁取りをした腕輪だ。アルト王子の方には、魔力を抑制する効果、イルト王子の方には、何かあった時に治癒魔法が発動する効果をつけている。白と黒で対称的ではあるものの、二人の色を考えれば不自然ではない。ただ、そんな会話を繰り広げている私達を見るイルト王子は、少し複雑そうだった。



「……にいさんばかり、ユミリアじょうとはなして、ずるい」



 イルト王子としては、アルト王子も大切だからこそ、ヤンデレモード発動とまではならなかったようだが、それでも、私がアルト王子と仲良く喋っている様子は、イルト王子にとってあまり面白くないらしい。しかも、イルト王子はゲームでの私の立ち位置まで知っている。私がアルト王子の婚約者になるはずだったと知って、冷静ではいられない部分もあるのだろう。



「なら、イルトもはなせばいい。イルトは、ユミリアじょうにあえるきょうを、たのしみにしていただろう? あまりにもきをとられて、さんぽちゅうにいけにおち、ふぎゅっ」


「にいさん、それはいわないでっ」



 なるほど、池に落ちたのか、と思いながらも、一番に思うのは、イルト王子の怪我の有無だ。



「イルト様、お怪我は?」


「……だいじょうぶ」



 私の問いかけに、顔を赤くして、目を逸らしながらボソッと答えるイルト王子。



「うんっ、かすりきずだっていわれてたぞっ」


「に、にいさんっ」



 そして、見栄を張って何ともないように装ったイルト王子を、全く悪意の欠片もなしに突き落とすアルト王子。

 しかし、まぁ……。



「分かりましたっ、では、今度からイルト王子が池に落ちても大丈夫なように、新しい魔導具を作ってみますねっ!」


「ユミリアじょうっ!?」


「おぉーっ、すごいっ! よろしくね、ユミリアじょうっ」



 ワタワタするイルト王子と、パチパチと手を叩くアルト王子。そんな様子に和みながら、私達は庭園へとやってきた。

アルト王子、相変わらずパチパチと手を叩いてくれてます(笑)


イルト王子は、ある意味災難?


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] あらまぁ…池ポチャ?ポチャですか?おやおや…によによ(* ̄∇ ̄*) 一部始終をがっつり目撃したアルトお兄ちゃんはちゃんとユミちゃんに報告するんですねぃ……イルト君、最大の敵は身内。恥ずかし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ