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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
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第百二十二話 得られた情報

ブックマークや感想をありがとうございます。


メリーさんによって従順になった刺客達から得られた情報とは?


それでは、どうぞ!

 結局、分かったことといえば、片方の刺客はボンボ男爵(よく考えると、パーティーで最後に陛下からお叱りを受けて、騎士に連れ去られた男のことだった)に依頼されて、どこから入手したのか分からない指輪を持たされて、イルト王子に接近したこと。もう片方の刺客は、依頼主とは直接会うことなく、代行だという男に前金を握らされて、私をあのパーティー会場で殺すことを依頼されたということだった。

 ボンボ男爵に依頼された男からは、それなりに有益な情報を得られたと言えるが、やはり、もう一人の刺客は何も知らない状態で、相手の目的が全く見えなかった。



「でも、ボンボ男爵の方はかなり前もって依頼してたみたいですけど、依頼主不明の方は、一昨日いきなり依頼を受けたなんて……下準備とか、できたんでしょうか?」



 お父様が依頼を受けた時のことも尋ねてくれたため、彼らが依頼主やその代行と接触した日も判明していた。しかし、依頼主不明の相手が、どうやってあのパーティー会場に刺客を送り込めたのかがどうにも判然としない。普通は、刺客自身が下準備を行い、逃走経路まで確保してから事に及ぶものなのだが、あの刺客は、それらを行うだけの時間の余裕がない中、全ての準備は整っているという言葉を信じて実行に及んだと言う。

 ……そう、人一倍警戒心が強いはずの黒目黒髪の刺客が、初対面の男の、自分の命にも関わる重要な情報を、『信じさせた』のだ。

 だが、それを刺客に追及すれば、途端に彼は、自分がなぜ、その男を信じたか分からないといった様子で困惑していた。そのことから、その依頼主の代行者は、何らかの魔法によって、彼を惑わせた可能性が高いということになる。



「幻術……いや、違うな。精神に作用する魔法、か……ないわけではないが……ふむ……」



 一通りの情報を聞き出した私達は、応接室に集まって、家族会議を行っていた。もちろん、その場にはメリーやセイ達も同席しており、皆が一様に固い表情を浮かべている。



「……呪術……」



 誰が呟いたのか分からないその一言。それは、この場の全員の心を代弁していた。実際、精神に作用する魔法というのは、この世界では一律で呪術とされている。つまり、容疑者として浮上してくるのは……。



「お父様、もしかして、私が王妃様を守ったことが、メイリーン国に伝わって、現状を招いたのではないでしょうか?」



 刺客達から得られた情報は少ない。そもそも、なぜ警備が厳重なはずのパーティー会場での犯行に及んだのかの動機すら分からない。それでも、私達に推測できることと言えば、呪術大国であるメイリーン国との関わりだった。



「……そうだとしても、情報が伝わるのが早すぎる。かの国は、ここから馬で駆けたとしても、一月かかる距離にある。一週間経ったばかりで、行動に出ることができるとするならば……」


「行動の決定権を持つほどの人物が、この国に居る、ということですね?」


(この世界では、転移魔法は幻の魔法だと言われているから、それで誰かが行き来しているというのはあり得ないとして……通信手段も、話を聞く限り、早馬くらいしか存在しない、と)



 伝書鳩すらも存在しないこの世界で、メイリーン国に連絡を取れたという線は限りなく薄い。幹部クラスの人物が潜伏しているという可能性に、お父様達は余計に顔をしかめる。



「分かりました! では、私はその人物の洗い出しに力を注いでみましょう!」



 そして、そんな宣言をすると、お父様とお継母様だけは、胡乱な目付きで私を見るのだった。

メイリーン国、どんどんきな臭くなってきましたねぇ。


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[一言] 呪術=精神汚染……暗示とか魅了とかそういう…? ( ゜д゜)ハッ!大変!ワタシ素直なイイ子ですし暗示にばっちりしっかり掛かってしまうかも! これはいけません、いけませんねぃ!暗示に罹らぬ様に…
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