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ゆるい監視  作者: くんし蘭
1/2

監視しています。



20時43分。私は仕事を終えて一人暮らしの部屋に帰宅する。


今日はノー残業デーだったのに、気付けば19時30分まで仕事をしてしまった。

まぁいいや、今日は金曜日だ。明日を気にせずにネットサーフィンを楽しめる。


帰宅途中にコンビニで購入した弁当を頬張りながらスマホでTwitterを開く。


私のアカウント名は、『帰宅厨 』

知り合いは誰もフォローしていない。俗に言う裏垢的なもので、帰宅厨に私自身を騙る内容をツイートした事は無い。


「あー…今日はツイート無し…。」


私がTwitterをやる理由。

それは 椋代くん のTwitterを監視すること。



椋代くんと私は、高校の部活動で出会った。

学年は同じだがクラスは違うので、2人の接点は週に2日の天文部だけだった。

天文部と言っても名ばかりで、部室に集まって2人で小一時間程度課題をしたりスマホをつついて終わったり雑談をするのみの緩い部活だった。


椋代くんの第一印象。喋らない。同い年なのに敬語で話すし目は合わせない。

だけど2年、3年と経つ内に、笑顔を見せてくれるようになっていった。



だが在学中の進展はその程度で、特に恋愛感情に発展する訳もなく卒業した。別に名残惜しくもなく、高卒で働き始めたので慌ただしい日々で椋代くんの事を忘れていたくらいだ。


そして、高校卒業から2年。現在に至る。

初めは仕事の愚痴を発散する為にこの、帰宅厨というアカウントを作成した。

Twitterを閲覧する内、高校を卒業して大学に進学した椋代くん本人のアカウントを発見した。


物静かな椋代くんがどんなツイートをしているのだろう?

興味本位で閲覧。

大体の内容は、平凡なものだった。友人とゲームをした。ペットの犬。水族館に行った。彼女が欲しい。テニスサークルを辞めた。スマホのゲームにハマっている。太鼓の達人が好き…等々。


所々に椋代くん本人の画像が載っていた。

拡大してみる。

椋代くんは垢抜けてはいなかった。眼鏡をかけていて高校の面影そのまま。でもタレ目でいつでも優しく微笑んでいた。ペットも可愛い。

私は何故か椋代くんのTwitterにハマってしまった。

彼のツイートはひどく癒されるのだ。


こうして私は椋代くんにこそ気付かれはしていないものの、Twitterを毎日監視している。


本人が知ったらどうなるだろう?

まぁ、お互いどうでもいいことかな。


今日は特にツイート無し。忙しいのかな?

以前、金曜日は友達とカラオケでオールをしたり、サークルの飲み会があるとツイートしていたから、今日は何か予定があったのかもしれない。


明日はツイートしてくれるだろうか。

私は仕事の疲れを椋代くんのTwitterで解消する日々を送っていた。




初投稿です。

拙い文章失礼致しました。

読んで下さりありがとうございました。

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