彼女のハートを射止めたのは…(200文字小説)
昼。
食事のために外に出た。
「今からお昼ですか?」
女子社員に声を掛けられた。
「そうだけど」
「じゃあ、一緒にどうですか? 行ってみたいお店があるんです」
しゃれた和食の店だった。
座敷の席へ案内される。
一瞬、靴を脱ぐのを躊躇する。
「どうかしましたか?」
「いや…」
足元に注意を払いながら席に着く。
「可愛い」
僕の足元を指して笑う彼女
「やっぱり、見つかっちゃったか」
靴下に空いた穴が彼女のハートを射止めた瞬間だった。