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ホラー

作者: しのぶ

 私の住んでいるアパートの部屋は、古いせいか時々窓やドアがカタカタと鳴る。それは風が強い時とか、窓の外の手すりに鳥が止まって動いている時とかで、私はすでにそれには慣れているけど、時々、もしかしたら、泥棒とか強盗が押し入ろうとしているのではないかなどと、想像してしまって心配になることがある。


 その夜も、私が夜中に目が覚めると、窓がカタカタ鳴っているのが聞こえた。何度か間をおいて、窓が動く音が聞こえる。

 昼間は風もなかったけど、夜になって風が出てきたのだろうか。雨は降っていないかな……

 今が何時なのか分からない。深夜なのか、それとも寝てからそれほど経っていない頃かな……


 私は目を閉じて眠ろうとしたが、ふと、もしかしたら窓がカタカタ鳴っているのは、泥棒か強盗が押し入ろうとしているせいかも知れない……なんて考えてしまった。

 まぁどうせいつもの夜中の空想だろうけど、もし本当にそうだったら怖いな……


 そう思って、ふと目を開けて、ベッドの足のほうの側を見た。


 瞬間、息が止まりそうになった。



 そこに誰かが立っていた。



 白っぽい作業着のような服を着た人影が、ベッドの足のほうの側に、こちらに背を向けて立っていた。


 私は反射的に目をつぶった。それでも逆に頭は恐怖で覚醒してきた。しかし同時に、頑固な眠気が、私をまた眠りに引き込もうとして、きっとこれは幻覚なんだと思わせていた。たぶん金縛り的な現象で、それでないはずのものが見えるんだ……


 それに、もし本当に人がいたとして、ここで私が「目が覚めている」ということに気づかれてしまったら……?逆に、そっちのほうが危ないかも知れない。いや、それとも、寝たままのほうが危ないのか……?


 いや、きっと幻覚だろう。そうに決まってる。でも何にしても、目を開けて、見て確認しないといけない。大丈夫、確認して「それ」が存在しないのを確かめれば、また安心して眠れるはずだ。安心して眠るためにも、それを見ないといけない。


 私は恐る恐る、薄目を開けて、ベッドの足のほうを見た。



 そこには誰もいなかった。



 よかった……。私はふーっと息をついて、また目を閉じて眠ろうとした。安心したせいか、また眠気が襲ってきた……


 そこでまた窓がカタカタ鳴ったので、うるさいなあ……と思って、横目でちらりと窓のほうを見た。



 心臓が跳ね上がった。



 窓は「開いて」いた。半分開けられた窓の向こうには闇が広がり、風でカーテンが揺れ動いていた……


 そして、私の頭の上、ベッドの頭のほうの側で、床がミシリときしむ音が聞こえた。





 


 





 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 簡潔な内容ですがすごく怖い [一言] 短い中にも自分がホラーに求めるものが詰まっていました。面白かったです。
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