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第一章 非日常の始まり

 日常はいつもと変わりなく訪れる。かくいう俺にもその日常の朝が訪れている。     しかし今にして思えば、その日常はその日、つまり今日にはなくなっていたんだろう・・。                                            

          第一章    −日常の終わり−

                                          俺はいつものように学校に向かっていた。いつもと変わらない、坂道から見える町並みを見ながら歩いていた。

「よ、片桐!」

「なんだ、竹内か」 

・・とまあ、後ろから声をかけてきたのはいつまでたっても学校が一緒の腐れ縁のダチ

『竹内四季』だった。

「なんだとはなんだ、せっかく声かけてやったのに」

「まあ、誰も頼んでねーけどな」

「相変わらずの憎まれ口だな、おい」 

「ああ、悪かったな、一生こうだよ」 

「あ、二人ともおはよう!!」 

声がするほうを振り向いてみると、これまた腐れ縁の・・・というか幼馴染の

『日下部梨緒』がいた。

「よう」俺が軽く挨拶すると隣にいた竹内が

「俺のときと対応が・・・」などと言っていたがとりあえず流しておく。

「てか梨緒、お前バレー部の朝練は?」

なんとなく聞いてみると、

「うん、今日なんか顧問の先生休みらしくてないんだ」

「ふーん・・」

「あ、でもさ」突然竹内の横槍が入る。

「なんだよ」 

「バレー部の顧問の喜牙ってさ、バリバリ体育会系の熱血コーチじゃなかったっけ?口癖は

{コンジョーだせー!}ってやつ。そんなやつが簡単に休むか?おかしいだろ」

「・・・・どうでもいいから関係なし」

「私も功名君に同じー」

と、梨緒が元気に跳ね回る。

「おいおい、いいのかバレー部」

「いいのいいの、あ、そんな事よりも二人とも知ってる?」

「「ん?」」見事に竹内とハモった。

「ふふ、仲いいね」

「茶化すな、誰がこいつなんかと・・・」

「こいつゆーな、こいつ」

「ふふ、あ、でね何かというとね」

改めて言われるとなぜか身構えてしまう。

「・・・なんと!転校生が来るのです!!」

・・・・・はぁ、そうですか・・・・。

「え!?ちょっと、興味ないの!?」

「少なくとも俺は興味なーし」

「・・・女子か?」

おいおい竹内、食いつくとこはそこかい。

「うん、女の子みたい」

「きたーーーー!」

「朝っぱらからうっせーな」

「だってよー!?女の子だぜー!?ついに俺にも春が来たんだー!!」

「今、秋だぞ」

「ああ、もうわかってねーなー」

竹内は自慢げだ。正直めんどい。

「じゃあ片桐、もしその子がめっちゃかわいかったらどうする?」

「・・別にどうもしねーだろ」

「はぁ・・・」

「なんだ、今のため息」

「枯れてんなー、お前」

「うっせ」

「あ、そっか、お前には日下部がいんのかー、ああ、うらやましいこった」

それが聞き捨てならなかったのか梨緒が割り込んでくる。

「ちょ!?違うよ!?私と功名君はそんな関係じゃ!?」

と、言い終わる前に竹内は走り去ってしまった。

「・・・結局何が言いたかったんだ、あいつ・・」

まあ、朝っぱらから変なのに会ったけど気にしないでおくか。なぜか横から梨緒がこっちを覗き込んでくる。

「・・・なんだよ?」

「ひゃあ!?」

「なんだ、今の声?」

思わず苦笑していると梨緒が起こった様子で

「な、なんでもない!!」と言ってきた。

しかし少しするとまた横から俺の顔をのぞいている。

「・・・なんか変だぞ、今日のおまえ」

「そ、そんな事ないよ・・」

と言っているが逆に声には元気がなかった。

「ねぇ、功名君・・」

「ん?」

「功名君は、転校生の女の子がかわいかったとしても・・・、

・・・好きにならないよね・・・?」

最初、言ってる意味がよくわからなかった。

でも梨緒が心配そうに返答を待ってるってのはわかった。

「んー・・、大丈夫だろ」

「・・・よかったー」

梨緒が心底安心しながらため息をついた。

「俺がその転校生を好きになっちゃなんかまずいのか?」

よくわからんが、とりあえず聞いてみた。

「そ、そんな事はないけど・・」

ますます質問の意味がわからん。

「・・・って遅刻じゃん!?」

梨緒があせった様子で携帯をみてるのを見て俺も見てみると確かに、時間は8時23分を示していた。

「梨緒、走るぞー!」

「朝からー!?」

「どうせいつもバレー部の朝練で走ってるだろー!」

「格好がちがうよー!」

ああ、騒がしい朝だ。


・・・結論から言うと、もちろん遅刻した。二人してHRの最初の時間に忍び込もうと試みたが結果は惨敗、担任の田代にしかられた・・。

そんでもって今はHRの真っ最中。

それにしても田代の話はいつも長い。いい加減眠くなってきた。

「あー、それでは、転校生を紹介するー」

・・転校生、そういえば梨緒が言ってた気が・・・。

ああ、眠い・・・。転校生の顔なんかいつでも見れるわけだし、このまま寝ちまおうか・・。

そこで田代のだみ声が聞こえてくる。

「あー、如月、由奈君だー、彼女は帰国子女なのでなにぶんわからない事もあるだろう、みんな助けてやってくれー。」

帰国子女ってなんだっけ・・・。

うん、寝よう、1時限目は寝を決め込もう。

そうして最後に聞こえてきたのは転校生の「如月 由奈です」っていう声だけだった。


起きた。厳密には{昼休みの時間に起きた}だった。

「普通、そんだけ寝てたら先生も起こすだろ」

などと竹内に言われているが実際誰も起こさなかったんだから仕方ない。

「そういえば竹内、結局転校生の子はどうだったんだよ?」

「おま、見てねーのかよ・・って寝てたのか」

「ああ」

「もーそれがめっちゃかわいくってさー!」

「ああ、はいはい、そうですかー」

「あれは天使だぜー・・、声はきれいに澄んでるし背もちょうど良いくらいだし」

「ふーん・・」

「それにあの落ち着いた感じ!あれはやっぱり天使だー・・」

妄想の世界に入り込んでるこいつはいいとして・・

「どうしたんだよ、梨緒?」

対する梨緒は少し不機嫌だ・・・、なんなんだ。

「べ、つにー・・・」

聞いてもこの調子なんだから仕方ないか・・。

「んでさー、結局その転校生・・なんてったっけ?」

「きーさーらーぎーゆーうーなー、だよ」

「そうそう、でその転校生はどこいんだよ」

「どこって一番後ろに・・ってあれ?いねぇー」

「さっきまでみんなにチヤホヤされてたけどどっか行ったよ」梨緒が久しぶりにまともな会話をしてきた。

「どっかってどこだよ」

「知らなーい・・・」

う・・、不機嫌モードだ・・・。

「まあ、どうせ昼休みが終わったら戻ってくるだろ、ああ、また天使が舞い降りるんだー・」

「また妄想モード入りやがって・・・」

「うっせー、うっせー!彼女がすぐ目の前にいるお前にはわかんないんだ、この気持ち!」

「だから、彼女じゃないって!」

「・・・やれやれ・・・」

 それは突然だった・・。

「う、うわ!?地震!?」

「っと、大丈夫か?」

梨緒がよろけてこけそうになるのを支えていると

「・・・おい、なんだ、あの爆発・・」

隣で竹内が口をあけて窓のほうを見ている。

「おい、あれって・・・」

見ると北校舎のほうがほとんど炎上していた。黒い煙を上げて大きな火を上げている。

ジリリリリリ・・・。

火災報知器のなる音がしてみんなが我に帰った。

「火災報知器が鳴るってことはつまり・・」

「・・・こっちにも火が回ってきたんだ!」

一瞬だった。みんながパニックになって廊下に走り出すまでは。

「にげろー!、きゃあー!!」

そんな1つ1つの声が他のみんなをどんどん焦らせる。

「お、おい、功名逃げるぞ!、早くしろ!」

そう竹内に呼ばれても俺は動かなかった。今にして思えばここで素直に逃げていれば、こんな事にはなっていなかったんだろう。

「こ、功名君?」

「・・・北校舎に、誰かいる・・」

「え?」

「あの3階の窓んとこ!女の子が!」

スカートのひるがえる姿が、窓の向こうへと消えていった。

「助けなきゃ・・」

「だからって俺らじゃどうにも・・・っておい!功名!」

竹内の言葉を最後まで聞くことなく俺は走り出していた。出口とは反対の、北校舎の入り口へ

向かっていた。

・・ばかじゃねーか、おれ・・?行ってももうきっと・・。そんな悪い予感が脳裏に焼きついて離れない。

「・・・んな事言ってる場合じゃねーか・・」

そうこうしてるうちに北校舎の1階に着いた。煙はすでに充満している。

そうだ、窓を開けてけば・・・。

そう思って窓を1つずつ開けていく。煙は少しずつ外に出て行き行動しやすくなった。

「よし・・」

窓を開けながら3階を目指していく。そうしながら3階に着いたがあの女の子の姿はない。

「どこにいるんだー?」

呼んではみるが返事はない。

・・・まさかもう・・。

いやな予感は不安をどんどん駆り立てていく。

「くそ、どこだよ・・」

「━誰を探しているのだね?」

「・・・!?」

そこに立っていたのは、初老の、英国紳士風の人だった。落ち着いた感じの品の良さそうな・・・。

「あ、あんただれだよ・・?」

そもそもこんな非常事態にこんなところにいるのはおかしい。第一、学校関係の人って感じもしない。

「私かね?私は・・」

「・・・っふせてぇー!!」

「なっ!?」

突如後ろから声がした。振り向いてみると人、女の子が、女の子の身の丈ほどある刀を持って宙をまっていた。

「な、なんなんだよ!?これ!?」

次の瞬間、女の子の持っていた刀が鮮やかな血の色に染まってた。女の子が紳士を刺していた

でも紳士はそんなものはまったく効いてないという様子だった。

「・・言っただろう?物理的なものでは私は殺せない、と・・」

紳士は笑っている。怖い・・・。なんだ、この光景・・。

「早く逃げて!」

女の子にそう言われるが、体が動かない。

「あの少年・・、おいしそうだなぁ・・・」

「お、いしそうだって・・!?」

紳士の言ってる事がまったくわからない。女の子に言われなくてもわかっている。逃げなくては行けないのに、動かない。

「今回はこの程度でいいだろう。鍵は手に入れたのだから」

「待て!!」

女の子が叫ぶが、紳士はその場から音もなく消えてしまった。

「ふう・・」

女の子はため息をついてその場に座り込む。

「大丈夫?君?」

大丈夫なわけがない。

「なんなんだ・・・」

「なんなんだよー!?」



今日この日をもって、俺の日常は非日常へと姿を変えていったんだ・・・。



 

まだまだ駆け出しだけど、いっぱい面白いものを作れるようにがんばっていきますので、よろしくです!

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