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プロローグ 2年1組遭難する。

ありふれた異世界転移物を、書いてみました。

 クラスには、中々名前が出てこないクラスメイトが、一人

か二人は必ずいると思う。その子の特徴と言えば、印象が薄

く、地味で、目立たず、大人しく、まじめぐらいしか思い浮

かばないと思う。


 俺事、田中 はじめも、クラスの中では、印象が薄い目立たない

生徒の一人である。


 今、俺は、属する2年1組のクラスメイトと共に、夜道を

歩いている。通学している高校の伝統行事の一つ、深夜鍛錬

登山に参加しているのである。


 伝え聞くところに依れば、この行事は、半世紀以上も続い

ているらしい。


 この高校の設立は、市内で最も古い。伝統校である。かつ

ては、大学への進学率は、地域一位であったが、この数年、

新設の中高一貫進学私立校の後塵を拝している。


 深夜鍛錬登山というのは、深夜午前零時、学校の校庭を出

発し、市内外れの標高800m程度の山頂を目指して、4,5

時間かけて、登り、山頂で日の出に、学業成就を祈願すると

いう行事である。


 この日は、午後9時に、校庭に集合し、学校長からこの行

事の由来と意義、文武両道のなんたるかの長時間のご高説を

拝聴し、クラス毎のミーティングを経た後、出発した。


 学年毎に、目的地は、異なり、クラス毎に、異なるルートで、

目的地を目指す。以前は、クラス毎に、山頂到着時間を争って

いたが、現在は、クラス全員が、全員脱落することなく山頂到

着を目指すすとに、主眼を置かれている。


 俺事、田中一は、わし鳥は群れず孤高を愛する人間である

と自負している。身も蓋もない言い方をすれば、ボッチコミュ

障である。


 成績優秀でもなく、運動神経は普通、ワルでも不良でもない。

クラスでの成績順位は、平均的。得意科目なし。部活活動無し、

特に親しい友人はいない。


 身長170cmぐらい、体重55kg細身の体型である。


 クラス内は、いくつか親しい友人同士のグループがあるが、

どれにも所属していない入っていない。


 グループを組む必要がある授業が、時々あるが、幸いクラス

には数人のボッチがいるので、ボッチ同士で組むことができ、

学校生活にさほど不自由は感じていない。


 クラス内の立場としては、クラスの行事の参加について、一

応1回は、声をかけられる。断れば、その後、音沙汰なし。承

諾すれば声かけした相手があからさまな困惑した表情を浮かべ

る。そのような存在である。


 俺的には、深夜鍛錬登山は、疲れるだけで、日常生活のリズ

ムを崩す、無駄な行事と思っている。しかし、多数の生徒が参

加する行事に、参加しないという目立つ行為は、したくなかっ

た。という理由で参加している。


 少し本音を言えば、昨年不参加だったことを後悔した。

行事が終わった後、クラスの雰囲気が変わったことに、驚いた

からだ。後で知ったことであるが、この行事を契機に、クラス

メイトの多くの男女間に交際が芽生えたらしかった。惜しい

チャンスを逃したと当時思った。


 外観上、無関心を装っているが、行事自体は、無意味である

と思いながらも、ほのかな期待を抱いている。これは、俺の頭

の中の最高秘密だ。誰にも知られたくない。


 今回1組は、38名中31名参加である。2列で進む。列が

乱れるのを防ぐため、列中央には、ロープを配し、片手で掴み

ながら、行進した。


 2時間近く経過し、登山道に入り、傾斜を感じる頃、霧が出

始めた。今回のリーダー、矢崎遠矢、本校のテニス部の次期キ

ャプテンである。


 スポーツができ、成績がよく、ルックスがよく、性格も良い。

その矢崎の指示で、落伍者がでないように、各自腰回りにロー

プをかけ、列中央の太めのロープにくくりつけ、バラバラにな

らないようにした。


 列の先頭は、先程の矢崎遠矢と学級委員長の白石葵さんであ

る。白石さんは、弓道部で身長は、170cmを越え、すらり

とした美人である。才色兼備文武両道、先生たちの覚えも高い

美人であるがお高くとまっているという雰囲気でなく、ノリノ

リの性格で、昨年の文化祭のクラスの出し物で演劇をやった際

体型に密着した衣装を着て、ナイスバディを披露し、耳を尖ら

せた特殊メイクで、エルフに扮し、多くの中二オタクを萌えさ

せてくれた。


 その後に女子12人が続き、その後に男子19人が続く。歩

くペースは、体力的に劣る女子を前方に、体力的に優る男子が

後方で、特に殿の3人は、バスケ部の大塚雄三、剣道部の新田

京介、サッカー部の飯島洋平である。この3人は、スポーツ万

能で、女子からの人気が高く、身長180cmを越え、がっち

りした体格の持ち主たちである。

 

 クラス全員、ロープをくくりつけたことを確認したら、行軍

を再開した。傾斜が先程よりきつくなっためか、速度が若干遅

くなったのを感じた。


 霧は徐々に深くなった。最前列の矢崎と白石さんの姿がか

ろうじて判るくらいだ。最前列の矢崎と最後方の3人から、声

がけが交差する。時々委員長の白石さんの声が聞こえる。白石

さんの声かわいい。率直な感想である。


 そんなことを思っていると、霧のせいで、さらに視覚が、悪

くなった。前後の2,3列がやっと見通せるぐらいだ。まるで

雲の中のようだ。


 矢崎の指示で、行軍を停止することになった。


 列中央を中心に、はぐれないよう身を寄せるよう矢崎から指

示があった。全員腰をおろし、座って待機することにした。


 霧は、普通の霧と違う気がした。なんとなくピンクっぽい。

焦げ臭い臭いが遠くからしてきた。低い地響きのような音が近

づいてきているよう感じた。


 地響きのような音は徐々に、大きくなった。耳を塞ぎたくな

るように大きくなった頃、突然、前方から閃光が立ち上がり、

身を寄せ集まっているクラス全体を光が飲み込んだ。女子の悲

鳴が聞こえた。ほぼ同時に強力な力で前方に引き寄せられ、浮

遊感を感じ意識を失った。



今まで、読専だったのですが、多くの作者の皆様に触発され書いてみました。

書き慣れていないので、更新はゆっくりです。


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