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第五十五話 救出作戦

すみません。今回は、ちょっと性的な記述が激しいかもしれません。気分悪くされたら申し訳でないです。

 カレン王女の予想は的中した。


「どんどんと溢れてきます! 押し返せません!」


 護衛のエイシャ少尉が泣きそうな声で叫んできた。


 元々、この山は魔力が濃い地帯ということで、王都の魔術結界に魔力を供給する古代設備があると噂されているところだ。

 現在、私たちはこの過去の魔術遺産を単に使っているだけなので、この山々にどのような設備が残っているのかは知らない。

 ただ、このあたりには魔界との接続が良い地点が多く、魔術実験のためには都合が良い。

 そのため、今でも必要に応じて、魔術師は実験をこの地で行うことがよくある。


 カレンたちは事前の調査で、今回の事件の契機となった魔術実験がこの地にて行われたという仮説をたてているらしい。

 そして、その実験の結果、この辺りに新たに作られた、大規模な魔界との接続ルートの位置や、その規模、安定性等の状況を分析するために、ここの調査をしようと考えていたのだ。

 そして、もし接続ルートが安定的にできているのならば、先手を打って魔界とのルートを遮断しようと画策した。

 ただ、今回は本格的な封印作業のための事前調査、という位置付けだったのだが……。


「だめだな。退路も絶たれている。ただ、相手はオークどもだ。数は多いとはいえ、力押しで突破口は開けるぞ」


 カレンが、不用意にこちらに近づいてきたオークの一匹を切り捨てながら叫んできた。


「まずいわね。相手の規模がこちらの三倍はいるわね。強行突破をしようにも、こちらにも相当数被害が出るわ」


 リーゼが私の後ろに隠れながらぶつぶつと呟いている。

 ちなみにリーゼは、個人の戦闘力はあまりない。生粋の軍師だ。


「やはり、手薄なところを強制的に突破するしかないか」


 カレンが、剣を構えながら、こちらに聞いてきた。

 そろそろ決断しないといけない。


 私は非情な指揮官として、この場での優先順位を弾き出す。


「エイシャ少尉。カレン王女と、リーゼ大佐を無事に逃がします。そのために、あなたの部隊を半分私たちの護衛に、もう半分を陽動部隊として、あなたが指揮しなさい」


「……や、や……」


 エイシャは涙でグシャグシャになった顔を私に向けてきた。


「さぁ、行きなさい!」


「は、はぃぃ」


 勢いよく、エイシャたち別動隊が、退路とは別の方向に向けて、遮二無二な突撃をかけた。


「よし。残りの者は私に続け!」


 こうして、私とリーゼ、カレンと、少数の兵士は脱出に成功した。


◆◇◆◇◆◇


「……う、うぅ」


 エイシャは、目を覚ますと、どこかの洞窟内に縛り上げられている自分を発見した。


「こ、ここは……」


 既に鎧や武器は取り上げられている。


「目ガ覚メタカ」


 たどたどしい言葉をかけられたので、そちらの方に目を向ける。


「ひっ」


 エイシャの口からつい、悲鳴が上がってしまう。

 五匹のオークが、洞窟の入り口の方から、のそりのそりと入ってきた。

 しかも、全員裸で、腰に巨大なイチモツがぶら下がっている。


「ボスカラ人間ノ女ヲ犯シテモイイトイウ許可ガモラエタ。オ前幸セ者」


 オークたちがグフフと笑いだす。


「や、やめてください! 私なんて美味しくないですよ。ほら、身体も貧弱だし……」


 ガチガチと奥歯を鳴らしながらエイシャが命乞いをする。

 だが、オークたちは、ぐふふと笑うばかり。


「タップリト楽シンデヤルカラナ。ソウデナケレバ、オ前ヲ生カシタ甲斐ガナイ」


 下卑た笑いを浮かべながらオークたちが嘲笑う。

 エイシャはあの地獄の中をせっかく生き残ったのに、これでは、あのときに死んでいた方がましだと言えるような状況に放り込まれてしまっている自分に気がついた。


 元々、今回の護衛任務だって、何か目立った事、活躍がしたかったからこそ、自ら作戦を立案、提案して半ば強引に実現させたのだ。

 目の前でルシフたちばかりが活躍しているのを見て、自分だってやればできるのだ、ということを示したかっただけなのに。

 しかし、現実は極めて厳しい。


「や、やめ……キャー!」


 オークたちが、近づいてきて、エイシャの服を乱暴に脱がし始めた。

 左右から二匹のオークに万力のような力で押さえつけられており、身動きが取れない。


 そして、一匹のオークが、エイシャの正面にやってきた。

 そのオークの下半身のイチモツが巨大にいきり立っているのを見てしまい、エイシャは遮二無二、足を振り回す。


「……や、やめ……た、助け……」


 がたがたと震えながら、涙が止まらなくなる。

 本人も気づかないが失禁もしてしまっている。

 それでも、嫌々と首を振り、足をばたつかせて、最後まで抵抗する。


「デハ、イタダキマース」


 オークの一匹が、エイシャの両足をがっしりとつかみ、無理矢理開かせ、エイシャに覆い被ろうとした。


「……ア、アデ?」


 その瞬間、そのオークが、変な言葉を発し、喉元から大量の血しぶきを吹き出しながら、どうとエイシャに覆い被さるように倒れた。


「キャー! ギャー! キャー!」


 エイシャは悲鳴を上げ続けることしかできない。


 エイシャの身体中に、真っ赤な血がふり注ぐ。


 そして、間髪入れず、エイシャを左右から掴んでいたオークの首もはね飛ばされ、戒めが解放される。


「……え、……え?」


 わけもわからず、左右を見ると、残りの、立っていた二体のオークも、あっという間に炎に包まれ、死んでいた。


「ふー。これで、なんとか、全員確認とれたわね。エイシャ少尉。救出が遅れてご免なさいね。こっちも、色々と大変だったのよ」


 目の前で、私の顔の汚れをタオルで拭きながらルシフ少佐が優しい笑みを浮かべていた。


「め、女神さま!」


 エイシャは、ただただルシフにしがみつき泣くことしかできなかった。


次回は2/14(水)更新の予定です。

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