ゆっくり眠って。
ジークさんが熱を出してしまいました。
彼の異常に私とエドワードさんが気付くまで、私たちは山登りをしていました。
休憩のために木の根本に座った時、ジークさんの体がふらりとしたので、いつもより疲れているらしいことがわかりました。そして木の幹にもたれている様子がやけにだらんとして見えたので、エドワードさんがジークさんのおでこに手を当ててみたところ、熱かったというわけです。
朝、街を出発した時はなんともなくて、昼前にどうも不調だと感じ始めたと本人は言いました。お昼を普通に食べられたので大したことないと思っていたものの、だんだん悪くなっていったそうです。
自分の状態をぼそぼそと話すジークさんの声は、感情が乗っていないあるいは落ち着いていて静かというよりは、元気がないのだなと思わせるものでした。そして彼の目は少しうるんでいました。
私とエドワードさんはとりあえず、ジークさんを横にして、魔法で出した水で濡らしたタオルを彼のおでこに乗せました。
ジークさんは「冷たい」と呟くと目を閉じました。
「まったく。変だと思ったら言え。無理はしない」
エドワードさんはご不満のようです。当然ですね。エドワードさんとジークさんは一緒になって私に「無理をするな、つらいなら言え」と言っておきながらジークさんが自身の不調を黙っていたのですから。
「普通に歩けたから、別にいいかと思って……」
「いい訳あるか」
デコピンしようにもおでこにはタオルがあるので、エドワードさんはジークさんの頬をつねりました。
「いたい……。本当に、歩いてる時は、大丈夫だと思ってた」
「休むことになって気が抜けちゃったんでしょうね」
「そうかもしれない……」
……弱々しい……。
「そうだ、薬を……」
エドワードさんが荷物の中から小瓶を取り出しました。瓶の中身は粉末状の薬です。一回あたりの分量は蓋に入れて量るのだと旅に出る前に教えてもらいました。
「……熱ってことでこれ出したけど、原因何だ? やっぱり昨日の雨?」
「俺が聞きたい」
「熱だけ? 気持ち悪いとか、痛い所は?」
「頭が痛い」
「じゃあ、これでいいか。水? お湯?」
「どっちでもいい……」
「それなら水にする」
エドワードさんは水の入ったコップを二つ用意し、一つに薬を二回投入しました。そしてジークさんをひょいと起こし、
「はい」
「ん……」
薬を入れたコップを持たせました。
ジークさんはコップを五秒ほど見つめた後、勢いよく薬入りの水を飲み、
「うぇ……」
まずかったのでしょう、顔をしかめました。そんな彼にもう一つのコップが差し出されました。ただの水を飲んで口の中に残ったまずいのを流しきれということらしいです。
水を飲んだジークさんは再び横になり、目を閉じました。
休憩の後は、エドワードさんがジークさんを背負って山小屋を目指しました。道中の魔物と野生動物は私が魔法で対処しました。
山小屋に到着した時には夕方になっていました。
ジークさんが「歩ける」と主張したので、彼は山小屋の玄関前で下ろされました。
私たちが中に入ると、山小屋の管理人がジークさんを見て目を丸くしました。
「赤……?」
彼は三秒くらい固まっていましたが、ジークさんの体調の悪そうな顔に気付いたようで、どうしたのかとエドワードさんに尋ねました。
「昨日の雨で冷えたのか熱を出してしまって」
「それはそれは。――三名で一部屋でいいですかね」
「はい」
無事寝床を確保した私たちはさっそく部屋に向かいました。
四人が寝られる部屋です。ベッドはありません。床に布団を敷いて寝ます。
ジークさんは布団に入ると、「ごめん」とだけ呟いて眠りました。
布団の脇に座ってジークさんを見下ろして、エドワードさんが小声で言いました。
「休憩した時、おとなしくレイちゃんに膝枕されてたあたり結構弱ってるみたいだね……」
「そうですね……」
ジークさんは、ちょっと調子が悪いというくらいだったら、横になったとしても膝枕は拒否していたことでしょう。年下でしかも女子である私を魔法以外で頼るのは嫌と思っているようですし、私のことを頼ってもよい人と思っていたとしても膝枕となれば恥ずかしがる性格だと思うのです。
夕食の時間になってもジークさんの体調は悪いままでした。とはいえ熱が少し下がりましたし、本人が言うには頭痛が軽くなっているそうです。最悪な状態からは脱したというところでしょうか。そんな彼の食事は部屋でスープを飲むだけで終わりました。
食事の次は薬です。ジークさんはまたあの粉薬を飲むべきですが……。
私は自分の鞄から、違う薬を出しました。錠剤です。製造販売元は、日本の会社。
「こっちにしてみますか」
提案してみると、ジークさんはのろのろとした動作で私に顔を向け、エドワードさんからは想定していた質問が来ました。
「何だい、それ」
「解熱と鎮痛の薬です」
外出時に何かあった時のために鞄に入れておいたものです。
「苦い粉いっぱい飲まなくて済みます。でも、こっちの世界の人が飲んでも大丈夫なものかどうか……」
神様、神様、ジークさんのこと把握していらっしゃいますか。どうですかー!
ジークさんが顔を伏せました。これは体調の悪さ故か、それとも……。
私とエドワードさんは静かに待ってみました。二分ほど経過すると、ジークさんがゆっくりと顔を上げて私に言いました。
「大丈夫なはず、らしい」
良かった!
「じゃ、これにしますか」
ジークさんがこくりと頷いたので、私はさっそく錠剤を押し出しました。一回分である二錠を手のひらに載せてジークさんに見せます。
「こういう固形の薬、飲んだことありますか」
ジークさんは首を横に振りました。
「これは噛まないで、飲み込みます。これは比較的小さくて飲みやすいのですけど、初めてですし、一つずつにしましょうか。水と一緒に飲み込んでください。薬が途中でどっかに引っかからないように、水をしっかり飲んでください」
私は薬を一つとコップをジークさんに手渡しました。
「口に入れて、水と一緒にごくん、です。いいですか」
ジークさんは頷き、手のひらの薬を見つめて三秒くらい止まった後、薬を口に入れました。それからコップに口をつけて……飲みました。
「いけた」
「じゃあその調子でもう一つです」
二つ目の薬をジークさんはなんとも普通に飲みました。説明書に書いてあるとおりの小粒の薬とはいえ、慣れるのが早いです。既に十八歳だからでしょうか。私は初めてがいつだったか忘れましたが「うまくできない……」と苦労した記憶があります。噛まずに飲み込むということに勇気が必要でした。
「これでいいのか」
「はい。あとは寝て回復に努めてください」
ジークさんはコップの水を飲み干すと、改めて寝る支度をしました。
小声で「おやすみ」と言って再び目を閉じたジークさんに、エドワードさんが返事をして冷たいタオルをのせてあげました。
……さて。
ごみが一つ出たわけですが、これは……。
「ねえ、レイちゃん」
エドワードさんが私の手の上にあるものを見ています。
「その入れ物は」
何でできているのか、ですね。いろんなもので何度かくらった質問です。
「プラって書いてあるのでプラスチックと、銀色のところはアルミニウムっていう金属の箔ってことでよかったはずです」
「へー。レイちゃんの鞄にまだそんなものが隠れてたなんて」
「触ってみますか」
「うん」
私はエドワードさんの手に、空になった薬のシートを置きました。
「もうごみなので破っても大丈夫です」
エドワードさんはシートを持つと、「わあ、透けてる」などと言いながら透明な部分を指先で撫でてみたり、ひっくり返してみたりしました。
「なんかいろいろ書いてあるけど、何て書いてあるんだい?」
私はまず、カタカナ二文字と矢印のマークを指差しました。
「これがさっき言った『プラ』で」
「うん」
次に指したのは一番大きく書かれた言葉です。
「これが商品名で」
「やっぱりそれは大きく書くよね」
「この絵の横のは『押し出す』って書いてあります」
何の絵かというと薬の取り出し方の絵です。
「やっぱりそうなんだね。絵でわかったよ」
「いいことですね。あとは、何に効くかと、『一回二錠、一日三回まで』です」
「へー。薬ってみんなこう?」
私は首を横に振りました。
「袋に入ってるまずい粉のもあります。瓶に入ってる丸くてころころして臭いのもあって……あ、そういえば小さい時には甘い液体のを飲んでました。あと、円筒形の……飲める容器に入れられたやつがあります」
「葉っぱむしゃむしゃすることはある?」
「普通はないです。エドワードさんは葉っぱでどうにかしたことあるんですか」
「ないよ。でも、何が何に効くか教えられた時にかじったことはあるよ。腹痛に効くのがすっごく苦かったなあ……」
ただ教わるよりは覚えられそうな方法ですね。
エドワードさんはシートの押されてへこんだ部分を裏側から押して元の形に戻そうとしています。こんなことをするぐらい好奇心があるのに、インク切れの赤いボールペンはあまり触りたがらないのですよね。人間の道具で、しかもごみであると認識しているのに。どうやら何百年もの間にパーツが欠けたり壊れたりしなかったことが、「本当はすごいものではないのか」という気持ちを私の何倍も彼に持たせているようです。
「エドワードさんが薬飲むことってあるんですか」
質問してみるとエドワードさんは顎に手を当てました。
「風邪ひいたとか熱が出たとかだと……うーんと、前に風邪ひいたのが十一の時だった気がするんだけど、その時は寝るだけで治ったはずだから、十年は無縁かなーって思うんだけど……」
わあ! とても健康そうとは思っていましたが、本当にそうだと聞くとやはり驚きです。素晴らしいですね。
「二十歳になった時にお酒飲んでみたら、二杯でもうだめだったんだ。ふわんふわんして、そのうち気持ち悪くなって、薬飲んだよ。あれが最後に飲んだ薬だね」
あらまあ!
「強いお酒だったんですか」
「弱い方だって言われた。僕、お酒だめみたいで」
エドワードさんがお酒に弱いとは意外! いえ、一杯飲める時点で私のお母さんよりはだいぶ強いようですが……お酒を勧められると必ず断っていたのは弱いからでしたか。
「お酒が苦手ってそういうことだったんですか。味のことかと思ってました」
以前、お酒について「おいしいものじゃないよ」と言っていましたから。
「味だって苦手だよ。前にも言ったけど、果物しぼって飲むなら普通にそのまま飲んだ方がいいよ。そのまま食べたり飲んだりするにはまずいのをおいしくする知恵だとか言ってる人いたけど、別においしくなってないし。レイちゃんの世界だと違うのかもしれないけど……」
「お父さんが、お酒は苦かったり辛かったりするから私は苦手なのが多いかもって言ってました」
大人になったらいろいろ試してごらんと言われています。ちょっと飲んで合わなかったら、残りは料理に使って処分すればいいのだそうです。お父さんにあげるのもありです。
「じゃあきっと同じだね。――ねえ、これ貰ってもいい?」
えっ。
エドワードさんの言う「これ」とは、ついさっき出たばかりのごみのことです。
「化学の力で作ったものだって、これだけなんだし、僕が捨てずに持っておく分にはなんてことないでしょ?」
「それは、たぶんそうだと思いますけど……」
「じゃあもらっちゃうよ。ふふふ。どれくらいもつかな。未来の人びっくりするかな? 何て書いてあるか解読しようとするのかな?」
後世に残す気ですか! 勇者(予定)のエドワードさんが残したら、神の道具と同じような扱いになってしまうのでは? もし今後、この世界にプラスチックが出回らないうちに私のような人がやってくることがあれば、その人はボールペンを手に入れた私より困惑するのでは?
「未来の人があまりにもかわいそうなので、せめて、ジークさんに飲ませた薬だってことくらいは紙にでも書いて、それと一緒にしておいてください……」
“勇者が旅の途中で仲間に飲ませた一般的ではない薬の包み”ならば、残っていても変ではないかもと多少は思ってもらえるかもしれません。
「そうするよ。レイちゃんからもらったことも書いておくよ。ふふ、どうなるのかなー。レイちゃんが過去に飛んだ人だって説とか出ちゃうのかなー。文字が謎だから神使だって話を補強することになるのかなー」
エドワードさんは未来を想像してにこにこしています。なんといういたずらっ子でしょう! 私が正解を何らかの形でどこかに残しておいた方がいいでしょうか……。
翌朝、私が目を覚ますと、ジークさんが体を起こしているのが見えました。おはようございますと声をかけてみたら、ジークさんはいつもどおりの声で返事をしました。
「体調はどうですか」
「いい。いつもと同じ」
ああ良かった……。
「迷惑かけた。ごめん。あと、ありがとう」
「どういたしまして」
私とジークさんは、エドワードさんを起こさないようにこそこそと動いて身支度して布団を畳みました。エドワードさんはジークさんの様子を見守るために遅くまで起きていたので、まだ寝かせておくべきなのです。
エドワードさんが起きるか彼を起こすべき時間になるまで、私たちは壁際に並んで座って待機していることにしました。
暇潰しにと私がエドワードさんのいたずら計画の話をすると、ジークさんは、
「うまくいくといいな」
と言いました。
「小さいから気を付けてないとエドの時点で簡単にどこかに行くし、歴史的な資料になったとしてもごみとして伝わるからには何かあった時に後回しにされやすいと思う」
「そうですね」
「何か貴重なものと一緒にしろって後で言ってやろう」
エドワードさんの計画はジークさんにとっても面白い話であるようです。
「そうするとその何かのついでに盗まれるとかで逆にどっかいきやすくならないでしょうか」
「それなら価値はあるけど盗んで売れるわけじゃないものと一緒にしておけばいい。レイがくれた手巾とかエドがこれから恋人か何かにもらう物とか」
なるほど。市販品な上に別に高級品というわけでもないけれど使った人(とついでに贈った人)で貴重になっているものなら、よっぽどマニアな泥棒でもなければ盗む気にはならないでしょう。
……ん?
ふと気付くとジークさんが私を見つめていました。何でしょう。やめてほしいのですが。
「あの……」
「いつもどおりのレイだと思った」
「はあ」
急に何を言っているのでしょうか。
「昨日は……“お姉さん”に見えた」
へ?
「俺のわからないことを教えてくれるのが、年上で……面倒見の良さみたいなものを感じて」
ジークさんはうまく説明できないのか、こうして静かな場所でなければうまく聞き取れそうにない声でゆっくりと喋っています。
「それが……俺が姉というものに対してもってる印象に近くて、きっと妹と弟の世話をするレイはこんなだと思った」
「薬飲ませたからですか」
ジークさんが頷きました。昨日の彼はすっかり弱っていましたから、薬の説明をする私のことが、まるで何かを教える年長者のように見えたのでしょう。また、私が三人兄弟の一番上であると知っていることで、ただ年上なのではなく“姉”と感じるまでになったのだと思います。
「私は昨日みたいなことを妹と弟にはしません。二人が変なことしないか見てるだけです」
遊び相手になって、見張り役にはなっても、薬を飲ませたり氷枕を用意したりはしないのです。それをするのはお母さんです。
「そうか。……やっぱり今日のレイは年下だ」
ジークさんの喋り方が普通に戻りました。
「昨日もそうでした。ジークさんは弱りすぎたと思います」
「そうかもしれない。でも普通だったとしても姉らしさは感じたと思う。レイのことは前から年下の扱いがうまいと思ってた」
「はあ、そうなんですか」
「一番上として育ったことが関係してるんだろう」
それはまあ、全然関係ないってことはないでしょうけれど。
「一人っ子のエドワードさんがああなので、そこまで影響ないと思います」
私がどうこうというより、ジークさんが下手なのでは……。
「エドはいろいろと常人から離れてるから比べるものじゃない」
む、そう言われると反論できませんね。
「今日のジークさんはたくさん喋りますね」
「そうだな」
「回復しきってないんじゃないですか」
洞窟探検で疲れた後のジークさんは口数が多くなっていました。疲弊がある程度を超えたりいつもと違う体力の消耗の仕方をしたりすると何故かお喋りになるのでは?
「そんなことはない」
確かにジークさんは血色は悪くなく、いつもどおりの無表情ですし、声はしっかりしていますが……どれどれ。
私はジークさんのおでこに手を当ててみました。……特に熱くはありませんでした。
「……念のためあと三十分くらい寝るのはどうですか」
「俺が昨日の午後からどれだけ寝たと思ってるんだ」
「起きたのはいつですか」
「レイが起きる少し前だ」
「夜中に目が覚めてはいませんか」
「ずっと寝てた。……レイこそやけに喋ってて変じゃないか」
ジークさんの手が伸びてきました。
「……普通か」
ええ、普通ですとも。ありがたいことにこの世界に来てからは本当に丈夫で……おや? 今、エドワードさんの布団が動きましたよ。
エドワードさんが起き上がりました。さっそく爽やかオーラを放っています。「実は十分前に目が覚めていた」という可能性はありますが、彼は大変寝起きの良い人なので、本当に目覚めたばかりでも全然おかしくはありません。
「やあ、おはよう。朝からそんなにくっついて何やってるんだい?」
「おはよう」
「おはようございます」
ジークさんと私が挨拶すると、エドワードさんはつまらなそうな顔をしました。
「今のは恥ずかしがってほしかったなあ」
「それどころじゃないです。ジークさんがお喋りです」
「へえ?」
「ちゃんと寝たか怪しいです」
「少なくとも僕が起きてる間はいい子で寝てたよ」
「そうですか」
エドワードさんがそう言うのなら良いのです。睡眠時間について疑うのはやめます。
「で、どうなんだ、ジーク」
「何の問題もない」
「そりゃ良かったよ」
そう言うなりエドワードさんは立ち上がり、あっという間にジークさんの前に移動して屈み、
「……何するんだ」
ジークさんに抗議を受けました。
エドワードさんの右手がジークさんの頭の上で止まっています。ジークさんが両手で止めているのです。チョップを阻止したところですね。止まるまで私には二人の動作が目で追えませんでした。
「ジークはこのとおり元気みたいだよ」
エドワードさんが私に向けて笑顔で言いました。
「そうみたいですね。ちょっと安心しました」
膝枕を受け入れるくらい弱っている人がエドワードさんの高速チョップを止められるはずありませんから。
よく喋るのは気分の問題でしょうか。
「ろくに食べてないからお腹空いてて変になってるんじゃないかな」
「あっ……」
私ったら大切なことを忘れていました!
「別にそういうわけじゃない」
ジークさんはよく喋っている原因としての空腹を否定しましたが、
「でも空いてるのは合ってるだろ」
そうエドワードさんに言われると素直に頷きました。
「二人とも先にご飯に行くといいよ」
「はい。じゃあジークさん、行きましょう」
ジークさんが同意したので、私たちはエドワードさんに見送られて部屋を出ました。
洞窟(第二保管施設)を出た後の話は、web拍手のお礼として公開しています。拍手ボタンは本編に設置してあります。