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ACT1 unconditional love 1

息抜きゆるゆる話です。ツッコミ所はいっぱいありますが、お許しください。古い感じのえすえふ擬きです…(汗)

 眠りから覚めた。


 うぁ、頭が痛い~。




 頭痛は、安い冷凍冬眠ポットのお約束。

 長期航行用の覚醒剤は、副作用無しと言うけれど、この頭痛は避けられない。

 もぞもぞと冷たい床に足を下ろして、枕元を探る。

 血糖値を上げるのに、一緒に凍らせておいたチョコバーが見つからない。

 まぁ、溶けないと食えないけどね。


 重い瞼をこじ開けて、次いでに曇った外カバーを押し上げる。

 室内は非常灯しかついていない。

 外宇宙から内航路に入ったのかと思ったが、小さな窓の外は暗いままだ。

 中継用のワープリングの輝きもないし、船内放送も聞こえない。


 非常灯のオレンジの光を見る限り(リング中継点についたよ、お嬢ちゃん)という訳ではなさそうだ。

 何故か、このお安い旅客船の主コンピューターは、オッサン仕様なのだ。俺様もお嬢ちゃんよびされたし。


 室温も下がったままで、空調の吹き出し口に手を当てても何も感じない。

 小さなえこのみぃだからに顔を押しつけて、三等外航路船の船体を見る。


 重力発生用のハンマーが動きを止めている。

 部屋の中は一応の加重を感じるが、ハンマーの振り子運動が無いという事は、電力の供給も断たれている可能性大。

 つまり、非常事態だ。


 安い船でも船外用のスーツはあるはずで、部屋の中を見回す。

 チカチカと不安を煽る非常灯に、不健康な色合いの壁を探る。

 備え付けのロッカーを開けると。


 中には簡易船内服と非常用の斧が一つ。

 斧で扉をぶち破れと?

 着ないよりはましという簡易服では不安がある。

 酸素の濃度が保てるのか、着込んで圧を上げてみた。

 一応大丈夫そうだ。

 問題は、これまた簡単なヘルメットのバイザーの電源を入れてみたが、船内の通信とは繋がっていない模様。


 仕方がないので、手首の簡易電算モジュールを延ばして繋げた。

 現在の環境状況がバイザーに映る。


 気温、酸素濃度、重力、磁気、等々空間精査を簡易で行う。


 今のところ、酸素タンクの利用は無しでいけそうだ。


 船外活動ができる宇宙服に着替えたいところだが、動きがとりやすい簡易服で我慢するしかない。

 生命維持部分は、ちゃっちすぎて簡易服のまま、船外放出なんて事になったら、即死かもしれない。

 高々二層構造で、宇宙空間を漂ったら死ぬ。


 という事で、斧を片手にハードスーツ(宇宙服)を求めて出発である。


 やっぱり、船代はケチっちゃだめだよねぇ。




 部屋から出るのに、斧は必要なかった。

 冬眠中の部屋のロックがすでに解かれていたのだ。

 非常電源は保っているのか、手動でなんとか開いてくれた。

 つまり、この手の安船の非常電源であるからして、ついてから四十八時間は経っていないって事。

 お安い、まぁ、俺みたいな貧乏人の乗る船の非常電源の一般的な奴は。

 四十八時間は、通路確保してくれて、それでも主電源が回復できない場合は、生命維持部分だけに電源を残す。更にやばくなるとだ、徐々にいろいろ切っていく。

 まぁだいたいは、航行不能と判断した場合、救難信号の後、状況に合わせての行動になる。

 で、通路は手動で開くから、未だ、時間はそれほど経ってないはずなのだ。


 ただ、冷凍冬眠が解除されたって事は、脱出が必要か、人手が必要な事態が進行しているって事。


 斧を片手に、赤だのオレンジだのの非常灯がついた通路を、客用のキャビンから中央の交流施設に向かって進む。


 誰にも会わない。


 船員にも、乗客にも、ドロイドにもだ。


 ちっとおかしいので、通路端末を操作するが反応が無い。

 仕方がないので、自分の改造端末を操作する。

 手首につけるおしゃれな奴であるが、元々は兵隊さんからの質流れを改造。元はガントレット何とか。

 小さいお子さまに大人気変身グッツにソックリです。

 なので、異常な仕込みをしても気がつかれないのです、えっへん!

 玩具のような仕様だけど頑張ってハッキング。

 というか、大変だ。

 オッサン電脳が休止中になっちょる。


 あ~まずい。

 何か事件ですよ奥さん。

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