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1.冒険の招待状

 シャルロットは、走っていた。金髪の巻き毛の髪がばさばさと広がるのにもかまわずに。夕暮れの街が視界を流れていく。

 胸がどきどきしていた。走っているからではなく、嬉しさと、これからそのことを伝える人の反応を思いうかべていたから。

 シャルロットが右手に持っているのは、届いたばかりの一通の手紙。

 ずっと、この手紙が届くのを待っていた。今日は一日中落ち着かなくて、家の中をうろうろしたりベッドにつっぷしたりしていたので、「ちょっとは落ち着きなさい! いまさら慌てたってしょうがないんだから」とママに怒られた。

 だって、そんなふうになるのも当たり前だ。ずっとずーっと、夢だったんだから。十二歳になったら挑戦するんだって、何年も前から練習していたんだから。

 その結果が出る日に、じっと待ってなんていられない!

 けっきょく、郵便やさんの来る自転車の音で、ベッドにつっぷしていたシャルロットは跳ね起き、ポストに入れる前に郵便やさんの手から手紙をもぎとった。

「おやおや、シャルロットちゃん。そんなに急いでどうしたんだい。ああそっか、今日はあれの結果が出る日なんだっけ。大丈夫、シャルロットちゃんなら――」

「だめ、それ以上言わないで!」

 犬耳のはえた郵便屋さんの言葉を遮って、シャルロットは手紙を胸にあて、目をつむってすーはーと深呼吸をした。

 そして手紙の差出人の名前をじっと見たあと、その封をぴりぴりと開けた――。

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