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月の素行不良の原因を探りたい

作者: 一色強兵
掲載日:2026/10/16

自ブログ用記事の転載です。

たぶん私の世代には、一時的にしろ、あるいはベタでにしろ、天文に興味を深く抱いた人間は多いはずである。アポロ11号の月面着陸を眠い目をこすりつつテレビでリアルタイムで見続けた世代だし、また大阪万博で三時間以上の入館待ち行列を耐え忍び、アメリカ館の目玉展示だった「月の石」を実際に見た経験なんかもしているからだ。

なので私が天文学なんつー、全く私には似つかわしくないものに一時期入れ込んだという妙な歴史を持っていても、たぶん世間的には全然普通なんだろうな、とも思うのである。


大学の教科書にもなかなか無い、ちんぷんかんぷんの難しい宇宙論の本などを購入し、もはや人間が書いたとは思えないような数式を眺めては何が書かれているのか真剣に悩んだりしてる相当怪しい高校生だったわけで。


ハイ、真面目な話、天文学者になりたいなー、とかほざいていた時代がありました。

やややさぐれてはいたものの、賢明であった高校の恩師よる「それってメシが食えないンじゃね?」という非常に現実に即した進路指導アドバイスのおかげで、沼にハマらず、無事正業と呼べる職業にありつけ、事なきを得たのである。


という紆余曲折を経験したおかげで、とにかく、当時のお子様が抱いていたような様々な普通の宇宙に関する疑問のほとんどは、自分の知見として得ることができたのは数少ない収穫だったと言えよう。


ところが中には、いまだにどこからも回答が示されていない、割と素朴な疑問もある。

というか、世の中の人は私以外、そもそもそれをおかしいと感じていないらしい。

なんで? 絶対変だと思うんだけどな。


で、そのおかしいと思われるものは何かというと、月だ。


この天体、夜空では抜群の存在感を示す存在なんだが、いろいろと月に関する情報を集めると挙動不審もいいところの天体なのである。


「月がきれい」がなぜ"I love you".の翻訳文になるのか、というのも結構謎だがそっちの話ではない。


文字通り月の挙動の話である。


月はいつも同じ面を地球に向けている。

なので平安時代の人間も現代と同じ月の模様を見ている。なのでそれがウサギに見えるだとかなんとかという話題が平安時代人と現代人の間の共通の話題として成立しているわけだ。

なぜ、同じ面を向けているのか、という理由は、月の地球に対する公転周期と月の自転周期が一致しているからだという。


なるほど、と納得できたのはたぶん小学生ぐらいの間だけだった。

以後は、だんだん疑念が増えてきたのである。

確かに公転と自転が同じ周期なら同じ面がいつも地球の方を向く。

だけどこれって相当異常だよね。機械だって、千年以上狂わないなんてことはない。仮に月の運行にクォーツ発振の制御装置に使っていたとしても相当な狂いは出るはずである。


しかも、である。

月が地球に向けている面は完全にいつも同じではなく、実は見かけ上、わずかに右を向いたり左を向いたり上を向いたり下を向いたりと動いていることが観測で確かめられている。

このため、本来なら全く見えないはずの月の裏側の外縁部が地球から観測できたりしているのだ。

このことは月の自転がかなりいい加減というか、ラフな変動を繰り返していることを物語っている。

なのに、時間がいくら長くなっても、例えば裏側が半分見えたりするようにはならない。

何、この、人をおちょくった天体は?


だいたい天文学で扱うような天体ってのは、時間とか軌道とかにはたいてい忠実なもんで、そんないい加減な動きをするヤツはいないはずなんだが。

なんで地球に一番近いヤツがよりによって、こんないい加減そうなヤツなの? しかも誰かにイヤガラセでもするかのように裏側は絶対に見せないとか? 何考えてんだよ? ケンカ売ってんのか? ちょっとムカツクんですけど。


というのが私の素朴な疑念だ。


まあ、月の性根がそんなに悪くなく、かつ悪意も無いとすれば、物理学が原因で、このおふざけ状態が生まれた理由を考えないといけないことになる。

その場合、地球の重力での潮汐力が月になんらかの変化をもたらした、というのはありそうだ。

実際、潮汐力が原因で自転周期が遅くなって公転周期と一致するところで落ち着いたって書いてあった本はあるよ。


だけどね、地球なんかよりもはるかに大きな重力を持つ星なんかゴロゴロしてるし、その重力の潮汐力で自転周期と公転周期が一致しました、なんていう衛星の例はほかでは聞かないのである。

多くの解説がこの辺でツッコミ不足を露呈している。

いやあ潮汐力だけが理由で自転周期が公転周期と一致するようになったてのはいくらなんでも短絡的過ぎだって。


私が納得できる唯一の可能性は、月の内部構造がかなりヘンテコで、地球でいう核とか内核にあたるような、極端に質量の重いものが、地球寄りの表面近くに大量に寄っているという場合だ。

これなら潮汐作用の結果、まるで月の表側の一点と地球が糸で結ばれたような状態になるだろうから、多少ブレたりズレたりすることがあっても、かならず元に戻ろうとする力が働くから、千年経ってもまったくズレない挙動が再現できると思うのである。


もしかしたら世界のどっかでちゃんとした学者さんが、この疑念に対するちゃんとした回答を論文として書いてくれてるかもしれないけど、そういうことはもっとちゃんと広めて欲しいんだよね。


もし何かご存じの方がいらっしゃたら、教えてください。当方の精神衛生の維持に大変役立ちますので。

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