ルビが多すぎる異世界転生
早速ですがあなたは転生しました。この異世界ルビストに。
は……?異世界ルビスト?
あなたには異世界転生お決まりな逃れられない運命と超がつく超常現象を授けました。
ああ、はい。何かルビが多いと言うかルビの下がとんでもないことになってますけど。
さぁ、生死隣り合わせの世界へ!
――――何か……ものすごく嫌です。
※※※
――――この異世界ルビストで精神・鋼として生を受けた俺も12歳の女神さまからの無茶振りで逃れられない運命と超がつく超常現象を授かるんだよな。一体どんな異世界転生お決まりなのだろう?
【精神・鋼】
逃れられない運命:魔王
超がつく超常現象:魔力物理精神攻撃一切無効
「マジで逃れられない運命じゃねーか」
でも逃れられない運命:魔王であることに変わりはないので魔王城に向かい、四天王のみなさんに温かく迎えていただいた。
「魔王さま!勇者が攻めて来ました!」
「マジかよ参謀!」
「とにかく現在魔王軍が足止めをしております!」
「だが彼らも危ない!相手は勇者だぞ!?四天王たちは!?」
「ロドリゴ、マーリン、カトレイア、トール!空いてるものはいるか!」
『キャパオーバー!!!』
「仕方がない俺が出る!」
「魔王さま!まさか魔王の間に入れる気ですか!?」
「いいや、コレを使う」
俺は拡声器を手に取った。
「あーあー……勇者諸君、魔王城は勇者が攻めてくるための遊び場じゃありません!真面目に仕事をしている社会人の邪魔してそれで満足ですか!社会人として恥ずかしくないんですか!!」
暫くして勇者も拡声器を持ちより答えを返してきた。
『俺、召喚される前は大学生だったから分かりません!!』
「ぐーたらのプー太郎がぁっ!!レベル上げろぉ、飲んでないでクエストしろぉっ!!」
『ええ、そんなこと言ったって……魔王倒すのが勇者ですよね!?』
「バカァッ!こかぁ地球で言えば国会議事堂!魔王は大統領!大統領倒したら国中が混乱するでしょうがもっと考えなさぁいっ!」
「魔王さま、11時までに終わりませええぇんっ!」
「もう嫌ぁぁぁっ!!!」
『あのう……何か手伝いましょうか?』
「帰れ!それが俺たちへの一番の手助けとなる!」
『は……っ、それならこれを妨害すれば!』
『魔王城を混乱させて』
『俺たちの勝利に持っていけるぞ!』
「勇者パーティーのバカヤロオオオォッ」
うぐぐ……ここはいざ仕方がない!
「魔王四天王、魔王に続けえええぇっ!」
『『『『ギャアァァァァッ納期があぁぁぁぁっ!!!』』』』
――――こうして、勇者パーティーとの戦いは日没まで続いた。
「く……っ、魔王はすぐそこにいるのに……全く手が出ないなんて!」
「もう諦めろ、お前たちでは俺たちには手は出せない」
「いいや、俺たちは諦めない!何があってもだ!」
いや……マジで勘弁してほしいんだけど。
「体制を立て直してまたお前に挑む!」
「もう無理もう無理納期大幅と言うか日ぃ跨ぐうううぅっ!!!」
勇者たちが撤退していく中俺は項垂れた。
「きょ……きょうは、今夜は、徹夜」
「魔王さま、私たちも手伝いますから」
「ああうううぅ、ありがとう……四天王っ!!」
――――こうして納期大幅れで仕事をこなした俺たちはその後の始末書処理にも終われることになった。
人間の国の王には苦情の親書を書いた。
「はぁ……これでもう来ないでくれるといいなぁ」
「魔王さま」
「どうした、宰相」
「……勇者が攻めて来ました」
「あ゛――――――――――――ッ!!!!」
もうほんっと勘弁してほしい。異世界魔王も楽じゃない。
【完】




