バラックとお花畑
バディはノジッチでした。
売り上げ泥棒で、かつ、パチスロGo!Go!ジャグラーで転落人生にGo!Go!したKDっちと同じく、パチンコで転落ライフを満喫しているノジッチです。
昼間は大型貨物のドライバー。
妙にKDっちを見下してます。
オレとコンビを組んだ瞬間「あー、バディがKDじゃなくて良かったー」って言いました。
さて、昨夜はさすがに連休らしく、代行は大忙し。
ノンストップで市内外を駆け抜けました。
「12号車! ○○町の○○宅に向かって!」インチキ
「了解!」オレ
「○○町って、KDの家があるんだっけ?」ノジッチ
「見たい?」オレ
「うんっ。うわさのネズミ小屋が見たい」ノジッチ
向かいました。
忍びの里のような小道を曲がり、突き当りまで進みます。
そして、そこからクルマの頭を右の草むらに向けて、ヘッドライトを照らすとそこにはKDっちの不夜城があります。
KDっちはネズミとの共同生活で、ネズミからは「鼠先輩」との称号をもらったと聞きました。
「ここだよー」オレ
ヘッドライトをKDっちの家に向けました。
「・・・・・。」
お花畑がありました。
きれいな花がたくさん咲いてます。
「・・・・・。」
築50年のバラック小屋がありません。
KDっちの親が残してくれた最後の遺産であり、KDっちの唯一の棲家でもある2階建の家が消えてます。
家があった、猫のツンタマほどの広さの土地からは幽霊屋敷が消え、代わりにかわいらしいお花畑が作られてました。
KDっちは昨夜も代行に来ています。
「電気代を3ヶ月滞納したまま」
とか
「ケータイの通話料を滞納して不通になってる」
とか
「代行の売り上げを盗んじゃった」
とか
「パチンコ屋で落ちている玉を拾ってはタバコと交換している」
とは聞いていても
「家を売った」
とか
「引っ越した」
とは
誰も聞いてません。
数時間後、地方の仕事を終えて待機場に戻りました。
まだ、誰も帰ってません。
ノジッチが12号車から降りて、KDっちのシビックに駆け寄りました。
そして、車内をサーチライトで照らし、ホモらしい足取りで駆け戻ってきました。
「布団が積んであった。生活用品も!」ノジッチの報告。
幸福感に包まれた笑顔のノジッチ。
一方のKDっち。
とうとうホームレスかもしれません。
腕利きの営業マン→新築の住宅&円満家族→パチスロGo!Go!ジャグラーに夢中→失職→家庭崩壊→代行生活を転々→泥棒→ホームレス
ああ、人生に山河あり。
KD家の歴史は今、お花畑となりました。




