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小金持ちの小さなプライド
代行です。
常連の新聞屋のおっさんです。
いつもは飲み屋のホステスとラブホから出てきて代行で帰ります。
親の代から新聞取次所を経営していてそこそこ大成功。家も郊外に新築し、最近では調子に乗って女遊びをするようになりました。でも、それもこれも親の成功によるものです。
基本的に性格が悪い。
自分よりも金がないやつを鼻で笑うようなやつです。
さて、今夜は珍しく仲間内での飲み会だった模様。
同窓会なのか、同世代の男性に囲まれているものの、なんだかパシリのようなことをさせられてます。
仲間内のヒエラルキーの中で一番の下っ端らしく、帰る間際までいじられてます。
ハゲの小金持ち。
みんなの前で踊らされてます。路上で。
悲しい光景に涙するオレ。
宴が終わりました。
ようやく客車に乗り込むおっさん。
微妙に涙目です。
おっさんと目が合いました。
っていうか、おでこに釘付け。
ハゲた新聞屋のおでこ。
黒いマジックで殴り書きされてあります。
「号外」
顔で笑って
心で笑いました。




