もののけ
トゥルです。
耳が悪い。
近視です。
老眼です。
鳥目です。
松潤がいいとこ取りなら、トゥルはいいとこ無しです。
月曜日もそうでした。
「見えんな」
ずーーーーっと言ってました。
で、たまに
「♪やがてぇーーーー♪」森山直太郎が歌うホットペッパーの出だしです。
これの繰り返し。
「見えんな」
「♪やがてぇーーーー♪」
トゥル、言葉の最後尾を必ず上げます(以降、これを念頭に読みましょう)。
で、○〇町への仕事。
若い兄ちゃんのステップワゴンです。
「見えんな」そういいながら客車に向かいました。
で、発車。
ゴーーーーーーンっ!!!
客車、無理やり縁石を乗り越えて、その衝撃でバンパーがもげてしまいました。
当然、客は怒りました。
なんせ、代行のドライバーといえば運転のプロです。
客車を壊すなんてもってのほかです。暗闇に弱い「鳥目」発動!
翌日、やーくんがトゥルにたずねました。
「事故ったの?」やーくん
「あいつら頭にくるなーーー」トゥル、怒った客のことを言ってます。
「客車壊したんでしょ?」やーくん
「知らんよ?」トゥル
壊したことを忘れて、怒られたことはしっかり覚えてます。
昨夜。
「昨日から『もののけ姫』にハマっちゃってね」トゥル笑顔
「なんでまた!」オレ
「♪トゥル、トゥル♪」トゥル、聞こえないから返事なし。
「♪もののぉ~けぇ~、たちぃ~だねぇ~~~♪」トゥル突然の大声。
スイッチが入りました。
さて、客車です。
20代の常連ホステス。
かなり酔っ払ってます。
トゥルの助手席でカラダを完全にトゥルに向けて座ってます。
で、じーーーーっとトゥルの顔をガン見してます。
「おじさん!おじさん!」ホステス
「ぅう?」トゥル
「おじさんはお酒好き?」ホステス
「飲むよっ」ゴキゲントゥル、語尾がいつも以上に上がります。
「何飲むの?」ホステス
「焼酎だなっ」トゥル
「チューハイ? チューハイ?」ホステス
「生っ♪トゥル、トゥル♪」ハイテンションのトゥル
「ナマ?ナマってなに?」ホステス
「そのまんま飲むのっ」トゥル
「氷は?」ホステス
「そんなのないよっ」トゥル
「薄めないの?」ホステス
「薄めないっ」トゥル
「おいしいの?」ホステス
「うまくないっ」トゥル
「がーーーーーん!」ホステス
「あいつは酔えたら何でもいいんだわ!」やーくんがいつも言ってます。
「あんなもんばかり飲んでるから鼻が赤くなってモゲそうなんだわ!」やーくんがいつも言ってます。
「おじさん、おじさん!」ホステス
「ぅう?」トゥル
「どーして鼻が赤くてボコボコなの?」ホステス、ど真ん中を攻めてきました。
「祟りだなっ」トゥル
「は?」ホステス
「たたり神よっ」トゥル
「た、たたり?」ホステス
「もののけよっ」トゥル、ここでもののけ姫を出してきました。
「は?」ホステス
「♪もののぉ~けぇ~、たちぃ~だねぇ~~~♪」トゥル、突然の熱唱!
ホステスがおとなしくなりました。




