津波とインチキ
インチキです。
1号車で移動中、いく度となくビミョーに震え、たまに「フゥ~」と小さなため息をつきます。
で、そのため息が10回を超えた辺りから息遣いが荒くなり、呼吸が整ったあたりで「よしっ」とか、「セーフ」とか小さなエールが聞こえてきました。
「なに言ってんだか、こいつ」オレ、そうおもいながら客車を預かりつつ、iPhoneで日本に対する中国と韓国のニュースをチェックしたりしてました。
そして、預かりのクルマが8台を超え、ふたたびインチキの待つ1号車に戻った瞬間、
「アッヒーーーーーーンっ!」
インチキがビクっ!っとプラズマが駆け抜けたような反応を起こして、アイスバーンの上を急発進、4輪ドリフトをかましながら近くのセブンイレブンに突進しました。
そして、全力で運転席のドアを開けて、そのドアの反動に顔面をぶつけながらも右手でコーモンの辺りを強く押さえながら膝から下の小走りでトイレに駆け込んでいきました。
車内に残されたオレとKMくん。
かすかに、しかし強力なメタン系の香りがインチキの去った車内に充満し始め、いままでの奇妙な動きや小さなエールがインチキ自身に襲いかかる大小の波にまつわることなんだと悟りました。
チビリです。
大小の波を越えたかと思えたとたん、突如襲ってきた津波にやられたようで、さすがのインチキの括約筋も決壊したようです。
KMくんと車内のメタンを車外に追い出してる最中、ふたたびインチキの姿がセブンの店内に見えました。
どうやら下着を買い込んで、再度トイレインのようです。
人生に数回訪れるかどうかの大難をそのカラダで受け止めたインチキ、やっとの思いで1号車に戻ってきたその手にはビショビショに濡れた手で握られた缶コーヒーがあり、それらをオレらに配ったあと小さく微笑みながらふたたび小さなため息をつきました。




