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肉食獣

Y氏です。

ぶっきらぼうで「地球上は僕らのごみ箱さ!」というほど、市内のあちこちに家庭ごみを散乱させたり、自然豊かな河川の橋から不要な冷蔵庫を投棄するほどのアウトローぶり。でも、意外と面倒見が良くて気の合う仲間には何でもプレゼントしちゃう「愛すべき無法者」として知られてます。北見の代行界で。


で、意外とモテる。


普段は女っ気がないのに、自称・チャラ男のMZNくんに向かって「週末はオレもハメてくるかな」っていうくらいモテてます。で、たまに助手席に女性を乗っけてたりします。不特定。



さて、昨夜、


インチキが毛嫌う、酒癖の悪い女性客(30後半・バツイチ子持ち)をY氏に当ててきました。


オレはこの客のクセの悪さを知ってるんだけど、Y氏は知りません。インチキに至っては過去に警察沙汰になった経緯があります。


客情報をY氏に教える間もなく、Y氏が客車に乗っていきました。


5分ほどで客の借りている古臭いアパートに到着。オレが財布を持って精算に客車へと向かいました。


と、ここでY氏がクルマから顔を出して「いくら?」とオレに聞いてきました。


「預かり料金を入れて1700円」オレ



Y氏、車内に頭を引っ込めると、咥えたばこで不機嫌そうな女性客に料金を伝えてます。



こういうときはドライバーと客が料金のやりとりをするのでオレは代行車へと戻って運行表の記入を済ませます。


Y氏、お金をもらうとドライバー席を下りて外に出てきました。


「・・・・・・・」客が降りてきません。


不審に思ったY氏、助手席側の後部席ドアを開けました。


「ああ、親切に開けてやったんだな。機嫌悪そうだったもんなー」オレ、そう思いながら記入を続けました。



「・・・・・・・あれ?」


Y氏と客の姿が見えません。


遠くの方でサーチライトが光ってます。


「ああ、暗いから足元を照らしてやってるのかな」オレ、そう思いながら作業続行。



その5分後あわてるようにY氏が車内に乗り込んできました。


ここからは、Y氏の話し。




「いやー、エライ目にあったわ!」


「金払うまではまともだったんだわ!」


「金を払ったとたん、急に酔いが回った雰囲気になって『ドアを開けて』っていうから開けてやったんだわ!」


「で、ドアを開けたら『ちょっとフラフラするから階段の手すりまで連れてって』って言うんだわ!」


「そして、連れてったら、今度は『足元がふらつくから二階の部屋まで照らしていって』って言うんだわ!」


「やっとのことで手を引っ張って連れてったら、ドアにカギを差し込もうとするんだけど明らかにありえない震え方でカギがうまく差さらないんだわ!」



「で、じゃあ開けてあげますよ、ってカギを受け取ってカギを開けてると、背後からいきなり抱き付いてきて『抱いて!』って言うんだわ!」



ちょうどこのときです。二階の通路で四方に向かってライトの光が飛び交ったのは。


「Y氏、オレに向かってライトでイタズラしてんのかなー」オレ、そう思いながら運行表を書いてました。



「オレ、あわててカギを開けて、オンナを部屋に押し込んで逃げてきたんだわ!」


「いやー!エライ目に遭ったわ!最悪だわ!」



そういうY氏の右ほほが何故か濡れていて、Y氏はしきりに腕で拭ってました。



どうやら抱き付かれたほかに顔面をベロスケ舐められたようです。



「あの客はオトコが釣れなかったら、そうやってドライバーを誘うんだよ」オレ


「先に言ってよー」Y氏



肉食系にも上には上がいるようです。

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