トミーについて
トミー。
代行の臨時ドライバー。
オレをここに紹介してくれた恩人でもあります。
オレと同じ歳。
そのカレと本日はじめてタッグを組みました。
カレの前評判。
「客がかわいい子だったら即刻食う」
「とにかく客を口説く」
「食われた女性客は数知れず」
そんなカレと組みました。
まずは普通の会話に始まってたものの、代行車が市街地に近づくにつれてカレの目が怪しくなります。
ギラつきます。
イッツ ジャッカル!
獲物を狙う目です。
「魔王さん、あ、あの足見てみ!七面鳥よりも美味そう」トミー
そんなん見る余裕ないし。
「あの化粧の奥に潜むエロチシズムをオレは見逃さない!」トミー
「あの肌の白さにはノースランド北海道の粉雪もビックリだな」トミー
次から次へとフレッシュな単語が飛び出して来ます。
オレはスケートリンクに匹敵する超悪路と激闘中。
「あのね、この間付き合った彼女なんだけどね。これがまた凄くてねえ」トミー
「この間なんて一日に3人の女の子とスケジュールがオーバーブッキングしちゃってねーーー。腰が痛くて代行休んじゃったよーーー」トミー
もう、サバンナの狩人です。マサイの戦士。獲物を選びません。食わず嫌いなしっ!
でも、そう言いながらも急に子供の話をしたり、奥さんの話しもします。
???????奥さん?
え?奥さんいながら遊びまくってんの?
んな、あほな。
そりゃ人畜有害ですがな。放し飼い不可です。女性の敵です。
「嫁さんがさあ・・・」トミー
「嫁さんの親がね・・・」トミー
「嫁さんの病気がねえ・・・」トミー
おいおい、さっきのオンナ遊びを聞いたあとにアットホームな家庭の話しをされたってイマイチ現実味がないやんか。
「嫁さんの保険がね・・・」トミー
「死んだ嫁さんがさあ・・・・」トミー
??????
嫁さん、亡くなってんの?
いままで笑って聞いていたオレの背筋が寒くなりました。
おいおい、先に言ってくれよーーーー。
オレ、妙にしんみりしちゃいました。
昼夜、一生懸命働いて、子供を養ってます。
男手一つで。
ジーーーーンときました。
そろそろ客が待つクルマに到着します。
無言のまま、繁華街一番の交差点に差し掛かりました。
すると突然、
「あ!!!オレ、あの子とラブホに行ったことある!!!」トミー
「あの子は100人中5番目ってとこだったな、うん」トミー
「どこのラブホだったかなあ・・・」トミー
「そういえばこの間、病気うつされちゃってさあ・・・。あの子かなあ。痛かったよなあ」トミー
「あ、あのクルマかな?客車は?・・・オレの白い恋人はどこだ~~~♪」トミー
・・・・・・・。
あほう!性病で死んでしまえ!オレの涙を返せ!




