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多様性の愛
市内の夜のメインストリート・4条通り。
週末の午前1時ともなると、老若男女が入り混じっての酔い酔いストリートになります。
今日の午前1時半、その4条通りを待機場に向かってユルーく走ってると、突然バディのやーくんが叫び声を上げました。
「なんだ?あれ!」
「ん?」オレ、反応して、やーくんの指差すほうを見てみました。
おっさんが抱き合ってます。
スーツを着たおっさん同士。
片方が50代、もう片方が60代です。
熱い抱擁。
で、オレらの9号車が真横を通り過ぎようとした瞬間、60代のおっさんが50代のおっさんの左耳に
チュっ!
ってキスをかましました。抱き合ったまま。
どうやら、ここは地獄の1丁目のようです。
このあと、やーくんが振り返って観察してたら、とうとう本格的なキスをしたようです。
双方ともに薄く瞳を閉じてウットリと、通行人を気にしないでやってたようです。
この呪われた光景を終始見続けたやーくんは、このあと生涯最高ともいえる腹痛を訴えてのた打ち回ってました。
求めるならば、愛はどこにでもある。ただ、気づかないだけ。選んでるだけ。逃げているだけ。




