インチキのiPhone
「魔王さん、ちょっと」インチキ
いきなり無線で呼ばれました。
インチキごときに呼びつけられる筋合いはないけど、ヒマだったので1号車に歩いていきました。
「iPnoneのことなんだけどー」インチキ、相変わらずツンコ臭い。
クサレインチキ、使えもしないiPhoneなんぞを持ってます。しかもホワイト。
こいつ、ケータイはホワイトばかり集めていて、意味も無く6台ほど稼動させてます。
「iPhoneなんだけど、着信の履歴が見づらいんよねー。なんとかなんないかなあ」インチキ
「とりあえずちょっと魔王さんの見せて」インチキ
そういうとオレが手に持ってるのとインチキのを一瞬で交換しました。
スリもびっくりの早業です。
「着信履歴の文字は大きくならんよ」オレ
「そ、そうなの?」インチキ
そういうと、再び自分のホワイトを取り上げて、着信履歴画面を開きました。
「見づらいんだよなあ」インチキ
そう言った瞬間、客からiPhoneに電話がかかってきました。
「はい、はい、わかりました。ありがとうございます」インチキ
通話が終わると、着信履歴画面を開いて、その画面に向って、こーーーーんな大きな虫眼鏡を使って履歴番号を確認してメモを始めました。
お前は細菌学者かっ!
でね、インチキを見ると、大きな虫眼鏡で見ているのはいいんだけど、見えないほうの目で見てんの!
ドアホっ!
オレね、デビッドボウイを敬愛してます。すごくかっこいいと思ってます。
両方の目の色が違うところもかっこいい。青と淡褐色。
あああ、インチキもそうです。左右の瞳の色が違う。
でもね、インチキは黒と白。かなりホラーです。
カッ!と見開いた目が白目だと異常に怖い。
普通にシッコを漏らしちゃいます。ジャージャー出ちゃいます。
で、インチキに言いました。
「それ、見えないほうじゃん!」オレ
「うん、そうなんだけどさー」インチキ
そう言いながらも白いほうの目だけを見開いて虫眼鏡を覗き込んでます。
見えないほうの目で見ていて「見えない!」なんぞ、そりゃ当たり前です。
っていうか、一生見てろ!
9号車に戻って、自分のiPhoneを見てみました。
インチキの皮脂が画面にベットリと付着してます。
こころなしか茶色い指紋です。
思わず触ってしまった手をウェットティッシュで一生懸命拭きながら涙目になって空ゲロをしてしまいました。
助手席でY氏も涙目になってました。
いま、気分なおしのためにモスの「焼きトマトバーガー」とやらを食っております。
寝る。




