じいちゃん、今夜も平常運転
午前2時半。
いつも以上に早くピークが過ぎ去りました。
「9号車、9丁目!」オレ
各車両は帰路のポイントで自車の通過点を無線で報告します。
「9号車、お疲れ様でしたー」インチキのとろけるような甘いお疲れコールが入りました。
「はい、お疲れ様です」オレ
「じゃあ、2号車と8号車もお疲れさまでしたー」甘いインチキ
「・・・はいっ!おとぅかれさまれすっ!」じっちゃんドライバー、まるで抑揚がありません
っていうか、じっちゃんは5号車です。お疲れコールには含まれてません。
「5は違います」インチキ、冷たく言います。
とにかく、インチキはじっちゃんに冷たい。
「お疲れ様です」2、8号車のドライバー
帰りがけ、じっちゃんの5号車に立ち寄りました。
「だめだよー、先走っちゃ」オレ
「勝手に無線に出ちゃうんだよー」じっちゃんと組んでいるトゥルットゥー
じっちゃん、オレの声もトゥルットゥーの声も耳に入らず、犬のコーモンみたいな目をしながら未だ明けぬ暗闇を見つめてます。
無表情でピクリともしません。
「おつかれちゃん!」オレ
「はい、お疲れ様です」トゥルットゥー
じっちゃんの無駄に熱く危険な走りはまだまだ続きそうです。