蜘蛛の糸
2日続けての代行でした。
日曜日なので街も静か。午後7時に仕事に入ったものの、顧客からの連絡は無しです。
今日は8号車に乗車。
午後8時に1号車(インチキ社長)から指令が入りました。
「8号車、ちょっと家にきて」
「了解」オレ
向かいました。
インチキの家につくとインチキが言いました。
「タイヤ交換するわ」
「了解」オレたち
えらく手際よく交換が始まりました。インチキ一人で。
それも器用に口に懐中電灯をくわえて、手元を照らしながらホイールのボルトを緩め、ジャッキでボディを上げていきます。
感心感心。素晴らしい。
これぞ職人芸。
タイヤ1本の交換に2分もかかりません。
あまりにも素晴らしいので、同じく感心したバディが気を遣ってインチキの手元をハンディライトで照らしてあげます。
キュキュキュ!
ガコンガコン!
素晴らしい。
でもね、何か気になるの。
どうもね、タイヤとアスファルトが変に濡れてんのよ。
なんでだろ?
あっ、そうか。タイヤが野外に積んであったから雨が溜まってたんだな。
そう思いました。
バディのサーチライトが再び、インチキを照らした瞬間!!!!!
はぅッ!
何だ今のは?
バディ、手元が狂ってインチキの顔を照らしてしまいました。
オーマイガッ!
インチキの顔がヨダレでベロベロです。
そうなんです。
インチキ社長、懐中電灯をくわえながら作業をしているんだけど、その口元からビローーーーーンってヨダレが垂れてんのよ。
まるで「蜘蛛の糸」
ノンストップ、ノーカットで流れ続ける魔法の糸。
それが、アスファルトやタイヤにねっとりとくっついてんの。
ビックリしたバディ、あわててサーチライトを消しました。
き、汚ねえぇぇぇぇ~。
心からそう思いました。
遠くからクロネコヤマトのトラックが迫ってきます。
ヘッドライトが社長を再び照らす!
インチキが口にくわえたダイソーの100円懐中電灯がしこたま濡れております。もう、アゴまでベロベロ。
悩ましいジェルコーティング!イッツ、デンジャラスポイズン!気温3度が骨まで沁みた瞬間です。
帰りの車中。
「蜘蛛の糸」オレがボソッといいました。
「オレもそう思った」バディ
「タイヤが溶けていたようにも見えた」オレ
「オレもそう思った」バディ
オレたちは狂おしいほどテンションが低い夜を過ごしました。
みなさまのポイント評価で執筆意欲が
爆上がりします。