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第75話 朝日の真実
「でも、知らなかったの」
夕日の声が、震えた。
「朝日が、私のために海人を拒もうとしていたことを」
慎一は驚いた。
「どういうことですか?」
「朝日は、私の想いを知っていた」
夕日が説明した。
「だから、海人の告白を断るつもりだった」
「姉の幸せのために、自分の恋を諦めようとしていた」
それは、なんという皮肉だろう。
姉妹が互いを想い合うあまり、すれ違ってしまった悲劇。
「でも、私は待たなかった」
夕日が、自嘲的に笑った。
「朝日の返事を聞く前に、呪いを発動させてしまった」
「そして、朝日は……」
夕日の涙が、止まらなくなった。
「私を止めるために、自分を犠牲にした」
「第八の井戸に身を投じて、私の呪いの力を半減させた」
「姉を想って……最後まで……」




