表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/99

第66話 水の行進

その後を、無数の水の民たちが追い始めた。


「新しい仲間が……」


「井戸に向かっている……」


「でも、何か違う……」


水の民たちも、慎一の異質さを感じ取っていた。


恐怖に震えているのでもない。


諦めているのでもない。


狂気に侵されているのでもない。


明確な意志と使命を持って、水になろうとしている。


それは、千年の歴史で初めてのことだった。


「語り部……」


誰かが呟いた。


「真実を語る者……」


「私たちの物語を……」


水の民たちの間に、かすかな希望が広がった。


もしかしたら、この若者は……


自分たちの永遠の苦痛に、意味を与えてくれるかもしれない。


ただ苦しむだけではなく、その苦しみが物語として語り継がれるなら……


それは、一種の救いになるかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ