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第63話 統合への道
慎一は、分散したすべての意識を集めて、状況を整理した。
判明した事実:
水のネットワークは巨大な記憶装置
深海医師も「永遠の語り部」の可能性を研究していた
白石ゆりは、慎一の選択を知っていた
すべての苦痛も記憶することになる
そして、慎一は確信した。
自分が選ぶべき第三の道は、これらすべてを受け入れることだと。
『私は、語り部となる』
慎一の意識が、強く宣言した。
『千年の物語を、正しく語り継ぐ者となる』
『たとえ、永遠の苦痛を背負うことになっても』
それは、民俗学を志す者として到達した、究極の選択だった。
記録ではなく、自らが生きた物語となること。
本ではなく、永遠に語り続ける存在となること。




