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第61話 深海医師の真の目的

別の意識は、深海医師の診療所に再び侵入していた。


地下の研究室では、恐るべき実験が続けられていた。


しかし、今回慎一が注目したのは、実験そのものではなく、深海の研究ノートだった。


水に濡れても読める特殊な紙に、びっしりと記録が残されている。


『水籠化現象の考察 その二百七十三』


『人間の意識は、水に溶けても消滅しない』


『むしろ、水という媒体を得て、永続性を獲得する』


『問題は、その意識をいかに統御するか』


慎一は理解した。


深海医師は、単なる狂科学者ではない。彼もまた、水籠システムと戦っていた一人だったのだ。


ただ、その方法が常軌を逸していただけで。


さらにページをめくると、驚くべき記述があった。


『もし、水籠の意識が自らの意志で拡散と統合を制御できれば』


『それは、新しい形の生命となる』


『永遠の語り部として、知識と記憶を伝え続ける存在』


深海は、慎一と同じ結論に達していたのだ。


ただ、実現する方法が分からなかった。

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