表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

第7章:剣聖カイザーの修練

第7章:剣聖カイザーの修練

神器戦記 - 神滅三国


第7章:剣聖カイザーの修練


瀕死の勇者たち


五凶鬼との死闘を終えたリクたちは、ボロボロの状態で地に伏していた。

炎、氷、風、闇、雷――全ての鬼を倒したが、その代償は大きかった。


「くそっ……立ち上がれない……」


リクが血を吐きながら剣を支えに立ち上がろうとする。


カエデは肩で息をし、レオンの剣は折れていた。

シオンの魔力は枯渇し、ミアの体は傷だらけだった。


「このままじゃ……グレンに勝てるわけない……!」


絶望が五勇者を包む中、静かな足音が響いた。


「……お前たち、この程度で諦めるつもりか?」


低く、しかし力強い声。


「誰だ……?」


リクが顔を上げると、そこには一人の男が立っていた。


剣聖カイザー。


彼は黒い外套を纏い、背には巨大な剣を背負っていた。


「お前たちを鍛えてやる」


カイザーがゆっくりと歩み寄る。


「お前たちはまだ未熟だ。ゼウスを討つどころか、グレンにすら勝てん」


リクは歯を食いしばる。


「じゃあ、どうすればいい……?」


カイザーは剣を抜き、静かに言った。


「死ぬ気でついてこい」


こうして、リクたちはカイザーのもとで修練を受けることとなった。


熾烈な修行の日々


カイザーの修行は苛酷を極めた。

彼はただ剣を振るうのではなく、戦いの本質を五勇者に叩き込もうとした。


第一の修行:剣術の極意リク


「お前の剣には”迷い”がある」


カイザーは剣を振るいながら言う。


「雷の力に頼りすぎるな。お前が振るうのは雷ではなく”剣”だ」


リクは何度も打ち倒されながら、剣の本質を学んでいった。


「俺は……もっと強くならなければ!」


ある日、リクはついにカイザーの剣を受け止めることに成功する。


「……よし、少しはマシになったな」


リクの雷刃は、新たな段階へと進化した。


第二の修行:炎の極限カエデ


「お前の炎はまだ”怒り”の炎だ。だが、本当の炎は”意志”によって燃え上がる」


カイザーが指摘する。


カエデは火山地帯で修行を続け、己の炎と向き合った。


「……私は、守るために戦う!」


炎が変化し、槍が真紅に燃え上がる。


「フェニックスブレイザー!!」


火の鳥が彼女の槍から生まれ、大地を灼熱で包んだ。


「ふむ……悪くない」


カイザーは満足そうに頷いた。


第三の修行:魔力の深化シオン


「魔法はただの力ではない。“制御”することが大事だ」


カイザーはシオンに制御術を叩き込んだ。


「……氷は、相手を凍らせるだけじゃない。未来を切り開く力だ」


シオンの氷杖が輝き、冷気が研ぎ澄まされる。


「アークティック・ディバイド!!」


吹雪の刃が大地を裂き、氷壁が生まれる。


「なるほど……これが”精錬された魔法”というわけか」


シオンは新たな魔法の境地へと達した。


第四の修行:疾風の体得レオン


「お前は力任せに剣を振るっている。それでは”速さ”には勝てない」


カイザーは風の流れを読むことをレオンに教えた。


「風を感じろ……そうすれば、剣は”流れ”を掴む」


レオンは何度も倒されながらも、剣技を磨いていく。


そしてある日、ついに風と一体となる。


「ストームエッジ・クロノス!!」


剣が風と同化し、目にも止まらぬ速さで斬撃を繰り出す。


「……これなら、グレンにも通じるかもしれん」


レオンは剣を握りしめた。


第五の修行:闇の覚醒ミア


「闇とは恐れではない。お前自身が”闇を恐れぬ者”でなければならない」


カイザーの言葉に、ミアは静かに頷く。


「私は……もう逃げない」


闇を受け入れたミアの鎌が漆黒に染まる。


「ダーククレセント・エクリプス!!」


巨大な闇の三日月が放たれ、大地を切り裂く。


「……見事だ」


カイザーは満足げに頷いた。


修行の終焉、そして決戦へ


修行が終わり、リクたちは以前とは比べ物にならないほどの力を得ていた。


「これで……俺たちはグレンを倒せる!」


リクは雷刃を掲げる。


「五凶鬼を討ち、剣聖の修行を終えた今……次こそ、決着をつける!!」


カエデ、シオン、レオン、ミアもそれぞれ神器を手に、覚悟を決める。


「行くぞ、鬼国夜叉羅へ!!」


雷が轟き、炎が燃え、氷が輝き、風が舞い、闇が渦巻く。

五勇者はついに最強の鬼将軍グレンとの決戦へと向かう――。


次章:「鬼将軍グレンとの最終決戦」へ続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ