第三章:神器の覚醒
神器戦記 - 神滅三国
第三章:神器の覚醒
神の雷、鬼の咆哮
ゼウスが槍を掲げ、周囲の大気が震えた。雷が大地を焼き、焼け焦げた地面に煙が立ち上る。
「この戦場にいる者すべてに告ぐ。神々の秩序に従わぬなら、ここで消え去るがいい」
雷の閃光が空を引き裂く。
リクは雷刃・蒼雷を握りしめ、足を踏み込んだ。
「そんなもんに従ってたまるか!」
カエデが焔の槍を振り上げ、シオンが氷の魔法を詠唱する。
「やるしかないね」
「全力でぶつかるわよ!」
リクが剣を振るった瞬間、ゼウスの雷槍が炸裂する。
雷と炎、氷が交差し、戦場は混沌の極みへと変わっていった――。
しかし、戦いの最中、異変が起こった。
「な、なんだ……?」
地面が揺れ、空が歪む。
その瞬間、獣のような咆哮が響き渡った。
「ククク……貴様ら、人間も神も、我ら鬼の闇に沈むがいい」
鬼国夜叉羅の将軍グレンが、再び現れた。
彼の背後には、数百もの鬼兵が集結していた。
「この混乱に乗じて、全てを喰らい尽くす!」
ゼウスが顔をしかめ、雷槍を構えた。
「鬼どもめ……貴様らの好きにはさせん」
三つの勢力が、同じ戦場に揃った。
神 vs 人間 vs 鬼。
まさに三国戦争の縮図が、ここに再現されていた。
神器、第二の形態へ
「リク、どうする!?」
カエデが問いかける。
「……俺たちが戦わなきゃ、みんな死ぬ」
リクは雷刃・蒼雷を強く握った。
「この剣が、俺を選んだ理由を知りたい」
その瞬間、剣が青白く光り、雷鳴が轟く。
「試練を受けよ」
リクの視界が歪んだ。
次の瞬間、彼は光に包まれ、別の空間にいた。
神器の試練
「ここは……どこだ?」
目の前に現れたのは、一人の戦士だった。
雷を纏い、壮年の男がリクを見つめていた。
「貴様が雷刃の継承者か」
「お前は……?」
「かつて、この剣を振るった者だ」
男は静かに剣を構えた。
「ここで俺を倒せ。さもなくば、お前に神器を継ぐ資格はない」
「やるしかないってことか……!」
リクは雷刃を握り、走り出した。
試練の戦いが始まる――。
次章:「雷帝の遺産」へ続く